◎ボートがないと生活できない地域もある。
2022年5月23日/ブラジル、アマゾナス州の村(Edmar Barros/AP通信)

ブラジルの広大な熱帯雨林で洪水が多発している。

同国の専門家によると、アマゾナス州を含む複数の地域では2年連続で大規模な洪水が複数回発生し、この数カ月で数十万人が影響を受けたという。

アマゾナス州の一部の村では洪水が常態化し、現地メディアによると、水位は今も上昇し続けている。

ブラジル地質調査所でアマゾン西部の河川水位を監視している地球科学研究者のグリップ(Luna Gripp)氏はAP通信の取材に対し、「アマゾンでも極端な天候が大幅に増加している」と語った。

同調査所はアマゾナス州の州都マナウスなどで1902年から河川の水位や洪水をチェックしている。

グリップ氏によると、アマゾナス州だけで推定36万7000人が河川の水位上昇の影響を受けているという。

同州内を流れるアマゾン川支流のネグロ川の23日の水位は氾濫危険水位を超える29.37mに達し、一部地域を水没させた。

マナウス郊外の村で生活する男性はAP通信の取材に対し、「昨年と今年の洪水は異常」と語った。「水が全然引かず、ボートがないと生活できない地域もあります...」

男性は木材を使って即席の高床式住居を作り、何とか生活している。

別の住民は、「連邦政府はアマゾンの被災地を放置している」と非難した。「ボルソナロ大統領は見て見ぬふりをしています。私たちは何の援助も受けていません...」

グリップ氏によると、アマゾナス州の洪水のピークは通常6月中頃で、水が引くまで数カ月かかるという。ネグロ川の昨年の水位は、90日間氾濫危険水位を超えた状態を維持した。

アマゾン川を含む複数の河川でも氾濫が報告されており、アマゾナス州の35の自治体が緊急事態を宣言している。

洪水はアマゾナス州の経済を支える農業に大きな被害をもたらした。

同州の農業部門を率いるバロス(Charlis Barros)氏はAP通信のインタビューの中で、「食料の確保が喫緊の課題」と述べている。

2022年5月23日/ブラジル、アマゾナス州の村(Edmar Barros/AP通信)
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