◎コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。
南アフリカ、首都プレトリア郊外、水をくむ少女(Getty Images)

洪水、干ばつ、サイクロンなどの異常気象に見舞われているアフリカ諸国でコレラが蔓延している。

アフリカ中部および南部では2021年後半にコレラの流行が始まって以来、6000人以上が死亡、35万人近くが罹患したと報告されている。

マラウイとザンビアでは過去最悪の大流行が発生。ジンバブエでも患者が急増し、モザンビーク、ケニア、エチオピア、ソマリアも大きな被害を受けている。

コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。

世界保健機関(WHO)、科学者、その他援助機関は異常気象が前例のないコレラの急増を後押ししていると指摘。特に洪水が発生した地域で蔓延しているという。

WHOは今月、経口コレラワクチンが世界各地で不足していると発表した。

それによると、2023年以降、15カ国が要求したコレラワクチン計8200万回分のうち、実際に提供できたのは4600万回分にとどまっているという。

WHOはコレラを「貧困の病」と呼んでいる。コレラは衛生状態が悪く、清潔な水がない場所で繁殖するからだ。アフリカでは今年、中東の8倍の死者が出ている。

WHOは先月、世界中で広く使用されているコレラワクチンの新しいバージョンを承認した。

これはEuvichol-Sと名付けられ、旧バージョンよりも少ない成分でより安く、より迅速に製造できるという。

国際機関Gaviワクチンはこれが承認されたことで、世界のコレラワクチン備蓄量を昨年の3800万回分から5000万回分に増やすことができると見積もっている。

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