トランプ大統領COVID-19タイムライン3

最終更新日：2020年10月19日5時15分

10月10日～6日の情報
10月5日以前の情報

10月16日

トランプ大統領がCDCのデータを誤って引用する

15日に開催されたNBCニュース大統領テレビショーの中で、社長のトランプ大統領は疾病予防管理センター（CDC）の調査データを誤って引用した。

トランプ大統領は司会のサバンナ・ガスリー氏に対し、「先日、CDCはマスクを着用している人の85％がウイルスに感染するという声明を発表した」と述べた。

司会のガスリー氏はこの意見を却下し、大統領に投げ返した。

サバンナ・ガスリー氏：
「CDCはそのようなことを言わなかった。私はその発表を知っている」

これに対し反抗的なトランプ社長は「まあ、それは私が聞いたものだ。そして、私はそれを見た」と答えた。

同日、トランプ大統領は、ノースカロライナ州グリーンビルのキャンペーン集会中に、誤った主張を繰り返した。

ドナルド・トランプ大統領：
「CDCの報告を見ましたか？彼らはマスクを着用している人の85％がコロナウイルスを捕まえると発表した。あなたのマスクを見てください。あなたは知っている。必要なのはマスクではなく、私が使ったワクチンや抗体だと」

16日午前、トランプ大統領はフォックスニュースのインタビューの中で、「CDCはマスクを着用している人の85％がコロナウイルスを捕まえると発表した。これはどういうことだ？」と語った。

トランプ大統領がしつこく言及したCDCのレポートは先月発表されたものである。

この研究は7月に全国11カ所の特定の場所で、「PCR検査を求めた314人」の行動を調査している。

314人中、陽性と診断された154人の85％が、発症前の14日間「常にまたは頻繁にマスクを着用した」と回答。また、陰性と診断された160人のうち88.7％が「常にまたは頻繁にマスクを着用した」と回答したという。

CDCは15日午後にツイッターを更新、「マスクを着用した方がコロナウイルスに感染するという解釈は間違っている」とツイートした。

研究の共著者のひとり、ヴァンダービルド大学医療センターのクリストファー・リンセル博士は、トランプ大統領が誤って情報を発信したとCNNに報告した。

クリストファー・リンセル博士：
「この調査は、症状を疑っているグループの中で、陽性者と陰性者のマスク着用行動に違いがあるか否かについて調べ、統計的証拠がなかったことを示唆している」

「これは、マスクでウイルスを防げるかどうかを調査したものではない。また、マスクを着用した人の何パーセントがウイルスに感染するかを調べたものでもない」

16日、元食品医薬品局長（FDA）のスコット・ゴットリーブ博士は、トランプ大統領の誤った主張を押し返し、「マスクは拡散を遅らせるのに効果的である」と強調した。

スコット・ゴットリーブ博士：
「マスクは万能薬ではないが、ある程度の保護を提供する」

「マスクの有効性を証明したほとんどの研究が、それを着用することで呼吸器飛沫を遮断し、ウイルスの感染を遅らせると示している」

チェコ共和国の第二波

チェコ共和国の15日の新規陽性数は過去最高を更新する9,751件だった。

同国の新規陽性数は右肩上がりで上昇しており、前日の9,544件をあっさり更新した。

チェコ保健省によると、累計感染者数は約15万人、1,250人以上の死亡を確認したという。なお、感染者数はこの1週間で約50,000人増加した。

欧州疾病予防管理センター（ECDC）によると、同国の人口10万人あたりの感染者は701.9人。ヨーロッパで最も高い感染率を維持している。

政府は10月末頃までに病院が満床になる可能性もあると予測し、17日から野戦病院（収容人数500人）の建設を始める。

コロナ感染から復帰したクリス・クリスティ氏がマスク未着用を「過ち」と認める

16日、元ニュージャージー州知事のクリス・クリスティ氏はABCニュースのインタビューに応じ、「マスクを着用しなかったことは間違いだった」と認めた。

喘息を患っているクリスティ氏は、コロナウイルスに感染後（10月3日に陽性と診断）、ICUに7日間入院。初期段階でトランプ大統領も使用した抗ウイルス薬「レムデシビル」を投与したという。

クリス・クリスティ氏：
「コロナウイルスは私を集中治療室に送り届けた。貨物列車に乗っているような気分だった」

「私は運が良かった。まだ100％ではないが、ここ2、3日で体調は大きく回復している」

クリスティ氏は、9月26日に開催されたエイミー・コニー・バレット裁判官の最高裁判所判事セレモニーでマスクを着用しなかったことは「間違いだった」と認めた。

クリス・クリスティ氏：
「私はあの時ホワイトハウスにいた全ての人々が検査を受け、感染することはないと安心していた。しかし、それは大きな間違いだった」

「マスクを着用することにマイナス面はなく、全てがプラスに働く可能性がある」

「希望する候補者の集会に参加する時、買い物をする時、抗議活動に参加する時、ありとあらゆる時にマスクを着用し、社会的距離を確保すべきだ。私は7カ月間それをせず、たまたま健康を維持し、そしてICUに入院した」

ロシアの新規感染数が初めて15,000件を超える

ロシアは15日に15,150件の新規感染を報告した。

欧州の第二波は、人口1億4,500万人の超大国でも猛威を振るっている。

ロシアのコロナウイルス対応本部によると、15日の新規感染者の3分の1以上が首都モスクワで報告されたという。
・世界保健機関が欧州の厳しい制限の必要性を強調

【欧州の感染状況／10月17日時点】

ドイツの新規感染数が過去最高を更新

ドイツは15日に7,334件の新規感染を報告、過去最高を更新した。

同国の24時間あたりの感染数が7,000件を超えたのはこの日が初めて。前日に更新した記録を2日連続で塗り替えた。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、ドイツの累計感染数は35.2万件、死亡者数は9,739人。

今週初め、連邦政府と州政府はマスクの着用に関する規則を強化し、感染率の高い地域のバーに営業時間短縮を命じた。

アメリカの累計感染者数が800万人を突破

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカのコロナウイルス累計感染数は約804万件、これまでに21万人以上が死亡した。

15日の新規感染数は63,610件まで再び増加し、8月14日以降の最高値を更新した。なお、死者数は904人だった。

現在、35以上の州で感染者が増加傾向にあり、各州の保険当局は警戒を強めている。

【世界の感染状況／10月17日時点】

10月15日

CDCの予測／11月7日までに死亡者数は5％近く上昇する

15日、疾病予防管理センターは毎週のアンサンブル予測を公表した。

新しい予測によると、アメリカ国内の死亡者数は11月7日までに229,000人～240,000人に達するという。

CDCは44のモデリンググループから今後4週間の死亡予測を行っている。なお、44グループのうち、39は新規死亡者数と総死亡者数、3つは総死亡者数のみ、2つは新規死亡者数のみに焦点を当てている。

CDCの声明は以下の通り。

CDCの声明：
「今週の全国アンサンブル予測は、今後4週間で報告される新規死亡者数の不確実な傾向を示しており、11月7日まで、毎週3,400人～7,100人の死亡が報告されると予測した」

「州および準州レベルのアンサンブル予測では、3つの管轄区域で1週間当たりの死亡者数が増加し、1つの管轄区域で減少する可能性があると予測した」

ハリス上院議員が関係者のコロナ感染を受け、キャンペーンを一時停止

チームバイデンは、カマラ・ハリス上院議員と一緒にキャンペーン地に移動したコミュニケーションディレクターのリズ・アレン氏とスタッフではない乗務員の陽性が判明したと発表した。

チームバイデンのキャンペーンマネジャー、ジェニファー・オマリー・ディロン氏は声明の中で次のように述べた。

ジェニファー・オマリー・ディロン氏：
「ハリス上院議員は、2人が陽性診断を受ける48時間前までにこれらの個人のいずれとも接触していなかった。よって、CDCのガイドラインに基づき、検疫は必要ないと判断した」

「今回陽性と診断された2人は、検査後または陽性が判明する48時間前までにバイデン氏、ハリス上院議員、他のスタッフと接触していなかった」

「ハリス上院議員は最高レベルの予防策を講じるために、18日までキャンペーン活動を停止する」

その後、ハリス氏は検査を受け陰性と診断された。なお、夫のダグ・エムホフ氏も陰性だったという。

今週の失業手当申請者数は898,000人

15日、米国労働省はパンデミック開始から半年以上経った今でも過去最高水準のレイオフが続いていると強調し、先週、さらに898,000人が失業手当を申し込んだと発表した。

また労働省によると、州および連邦に失業手当を請求した人の総数は、9月26日時点で2,520万人を超えたという。なお、昨年9月末の請求総数は約140万人である。

先週、請求数が最も増加したのは、フロリダ州、イリノイ州、マサチューセッツ州だった。なお、過去数週間は85万人前後で推移しており、3月最終週に記録した690万人からは大きく減少している。

2020年以前の週あたり失業手当数の最高記録は、1982年に記録した69.5万人だった。

ファウチ博士がホワイトハウスの「集団免疫宣言」を「ばかげている」と却下

「集団免疫」に依存するコロナウイルス対策を提唱する科学者グループの発言を受け入れたホワイトハウスに対し、世界を代表する感染症のエキスパートは「ばかげている。ナンセンスだ」と却下した。

国立アレルギー感染症研究所（NAID）の所長として35年以上アメリカ国民の健康と命を守ってきたアンソニー・ファウチ博士は、ABCニュースの取材に対し、次のように述べた。

アンソニー・ファウチ博士：
「ホワイトハウスが受け入れた提唱（宣言）には、アップルパイや母性のようなものが書かれている」

「疫学や感染症の知識を持っている人は、宣言の危険性を理解し、脆弱な人々の大量死を招くと確信している。コロナウイルスを放置すればどうなるかは、今のアメリカを見れば一目で分かるはずだ」

「ばかげている。国民を騙してはいけない」

ホワイトハウスが受け入れた「グレートバリントン宣言」は、ウェブサイト上で世界中の9,000人以上の医療および公衆衛生科学者から署名されたと主張。ロックダウンに反対し、「当局は若くて健康な人にコロナウイルスを広め、感染を許可すべきだ」と記載されている。

12日、世界保健機関（WHO）のテドロス事務局長は集団免疫について、「科学的および倫理的に問題がある」と警告した。

テドロス・アダノム事務局長：
「公衆衛生の歴史の中で、集団免疫がウイルスに対応する戦略として用いられたことは一度もない」

ロンドンの新制限発効は10月17日から

イギリス政府は、10月17日からロンドン全域に新たな制限を課すと発表した。

イギリスのコロナウイルス警戒レベルは3段階に分類され、ロンドンは「中（レベル１）」から「高（レベル2）」に引き上げられる予定である。

これが発効すると、人々は自宅、パブ、レストランなどの屋内で社交することを禁じられる。また、屋外行動は6人以下（家族は除く）に制限される。

なお、パブやレストランなどは22：00まで営業可能、入店時のマスク着用は必須である。

ロンドンのサディク・カーン市長は15日の声明で次のように述べた。

サディク・カーン市長：
「市民を保護するための措置と理解しているが、一部地域だけでなく全国規模の行動も検討すべき」

「厳しい冬になると警告しなければならない。しかし、ロンドンは危機的な困難をいくつも乗り越えてきた。今回も暗い時代を必ず乗り越えられると確信している」

イギリスの新規陽性数は過去3週間で4倍に増加した。またボリス・ジョンソン首相によると、国内のコロナウイルス入院患者数は、3月下旬を上回っているという。

ロシアの24時間あたりの死者数が過去最高を更新

ロシアの24時間あたりの死者数が過去最高を更新する286人に達し、首都モスクワは厳戒態勢に入った。

今週初めに記録した死者244人はわずか数日で更新された。

一方、新規陽性数はここ1週間10,000～13,000件前後を維持し、クレムリンは警戒を強めている。
・世界保健機関が欧州の厳しい制限の必要性を強調

アメリカの検査陽性率が6％に上昇

ABCニュースが保健社会福祉省から入手した内部情報によると、全国の検査陽性率が4.7％から6％に上昇したという。

現在、38州と準州の1日あたりの感染者数が増加、14州で死亡者数が増加している。

情報によると、全国の病院の24％で集中治療室（ICU）の占有率が80％を超えており、夏季ピーク時の17.18%から大きく上昇しているとのこと。

アリゾナ州では、州の刑務所に収監されている囚人の6.71%（2,599人）と712人の職員が陽性を示し、これまでに囚人17人が死亡した。

ワシントンD.C.の新規陽性数は、この1週間で84％増加。一般病棟の占有率は81％、ICUは74.2％に達した。

また、アイダホ州の陽性率は1週間で14.7％に急上昇、全国2位に躍り出たという。

一方、コロナウイルスはチョクトー（インディアン部族）のコロニーでも猛威を振るい、「チョクトー族ミシシッピ・バンド」の10％が感染、これまでに81人の死亡が確認されている。

ノースカロライナ州とテネシー州は、過去1週間で新規陽性数が50％以上増加した。

アメリカの新規陽性数は約60,000件

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、14日のアメリカ国内の新規陽性数は59,494件、8月14日以降の最高値を更新した。なお、死者の数は985人だった。

現在、30以上の州で感染者が増加傾向にあり、各州の保険当局は警戒を強めている。

【世界の感染状況／10月16日時点】