カマラ・ハリス上院議員

米大統領選2020に出馬する民主党のジョー・バイデン氏は、カリフォルニア州上院議員カマラ・ハリス女史をランニングメイトに指名した。

米大統領選挙で黒人女性がランニングメイトに選ばれるのは史上初である。

過去にカリフォルニア州検事総長も務めたハリス上院議員は、人種差別反対抗議の中で警察機構の改革を促してきた。

バイデン氏は11月3日の米大統領選挙で、共和党の現職、ドナルド・トランプ大統領と雌雄を決することになる。なお、トランプ大統領が当選した場合、副大統領はマイク・ペンス氏が続投する。

過去の大統領選挙でランニングメイトに選ばれた女性は、2008年共和党のサラ・ペイリン女史と、1994年民主党のジェラルディン・フェラーロ女史のみ。いずれも候補者を当選に導くことはできなかった。

つまり、女性をランニングメイトに選んだ候補者が大統領選で勝利したことは一度もないのである。そして、ご存じの通り、女性が米大統領になったことはない。

バイデン氏はハリス上院議員を副大統領候補に選出した、とツイートした。

バイデン氏はハリス上院議員を「私に力を与えてくれる大胆不敵な戦闘機であり、アメリカを代表する公務員のひとり」と表現した。

また、ハリス上院議員がカリフォルニア州検事総長を務めていたとき、息子の故ボウ・バイデンと密接に協力していたことについても言及した。

「二人は女性と子供たちを虐待から守るために戦った。私は二人のことを誇りに思っている。今回のキャンペーンに彼女が協力してくれることを誇りに思う」

バイデン氏のキャンペーンチームは、二人が8月12日午後にデラウェア州ウィルミントンで記者会見を行う予定と発表した。

カマラ・ハリス上院議員(55歳)は、2019年12月に民主党大統領候補者争いから脱落した。

ハリス上院議員は予備選挙の討論中にバイデン氏と繰り返し衝突し、人種差別に関連する労働問題では特に激しい舌戦を繰り広げた。

ハリス上院議員は、カリフォルニア州オークランドで二人の移民の両親、インド生まれの母とジャマイカ生まれの父の間に生まれた。

幼少期はカリフォルニア州で過ごし、その後国内有数の歴史を持つハワード大学に進学。ハリス上院議員は、「ハワード大学で過ごした時間と経験が、私の人生を形成した」と述べている。

2019年、ハリス上院議員はワシントン・ポストに対し、「政治家は肌の色や出生の背景などによる決められた仕切り(区画)に収まる必要はない。大切なことは私が私であること。私は自分に満足している。第三者に理解してもらう必要はあるかもしれないが、問題ないし気にもしない」と語った。

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ランニングメイト

ハリス上院議員は、ハワード大学で4年間学び、その後カリフォルニア大学ヘイスティングス校で法学士号を取得。アラメダ郡地方検事局でキャリアをスタートさせた。

2003年、サンフランシスコの地方検察官に抜擢。カリフォルニア州でアフリカ系アメリカ人女性が同職に選出されたのは初であり、弁護士兼法執行官としての職務を果たした。

その後、カリフォルニア州検事総長などを務め、民主党の新星候補者として注目を集めるようになった。

2017年、ハリス女史はカリフォルニア州上院選に出馬、見事当選を果たした。

そして2019年、ハリス上院議員はオークランドの会場に2万人の観客を集め、大統領予備選挙への立候補を表明したのである。

しかし、キャンペーンは失敗に終わった。ヘルスケアなどの主要政策分野でちぐはぐな回答をしたことが致命傷になったと言われている。

地方検察官、検事総長などを歴任したことで得た力は、討論の場で何度も発揮された。バイデン氏をしばしば攻撃の対象にし、叩き伏せることも珍しくなかったが、人々の支持は得られなかった。

今回の発表を受けトランプ大統領のキャンペーンチームは、「カマラ・ハリスは極端な思想を持つ左派である。そして、彼女をランニングメイトに選んだジョー・バイデンも、自分がそうであると認めた」とコメントした。

また、「昨年、カマラ・ハリスはジョー・バイデンを人種差別主義者と非難した。彼女がどのような批判を受けたかは知らないが、謝罪を求めていたはずだ」と述べ、さらに「カマラ・ハリスは民主党を支配する反警察過激派組織と行動を共にするだろう。彼女は政権のために道徳を放棄し、検察官としての素晴らしいキャリアなど気にも止めない」

「カマラ・ハリスは大統領予備選で失敗した試みを再度実行に移すつもりだ。極左のマニフェストを喜んで受け入れ、何兆ドルもの新しい税金を国民に要求し、バーニー・サンダースが望んだ国民皆保健制度を支持するだろう」と付け加えた。

トランプ大統領はお膝元のフォックススポーツラジオのインタビューに応じた。その中で、バイデン氏がアフリカ系アメリカ人女性を副大統領候補として選出したことに対し、「侮辱、と感じる男性もいるだろう」と語った。

2020年3月、バイデン氏は女性をランニングメイトにすると公言していた。

オバマ政権時代にホワイトハウス国家安全保障顧問を務め、今回の民主党副大統領候補のひとりに挙げられていたスーザン・ライス女史は、ハリス上院議員を最初に祝福した。

「ハリス上院議員は先駆的なリーダーである。キャンペーンでも粘り強く戦い、素晴らしい成果を上げるだろう。彼女がバイデン氏の優勝チケットになると確信している」

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