◎専門家は「ワクチン接種後もマスクの着用と社会的距離の確保を継続すべき」と警告
◎接種者はコロナウイルスから保護されるが、「ウイルスの拡散を防ぐ効果があるかどうか」はまだ分かっていない。
2020年10月5日 ロイター通信/ワシントンD.C.、ホワイトハウス、ウォルターリード国立軍事医療センター退院後、マスクを外すトランプ大統領

巷で話題のファイザーワクチンを接種した人は、マスクの着用をやめても大丈夫なのか?

専門家は「ワクチン接種後もマスクの着用と社会的距離の確保を継続すべき」と警告している。

まず、コロナウイルスワクチンの接種は2回受ける必要がある。ファイザー社の2回目は1回目から3週間後、モデルナ社は4週間後に接種する。

接種者は1回目の接種から数週間以内に「ある程度の保護」を得られると期待されている。しかし、高い保護を得るためには2回目の接種から数週間待たないといけない可能性もあり、「接種から保護までの期間」は即時ではないと認識したうえで、少なくともその間はマスクを着用すべきである。

また、ファイザー社とモデルナ社のワクチンが接種者を「コロナウイルスから完全に保護する」のか、それとも「症状から保護する」のかについては、まだ分かっていない。

ワシントン大学のワクチン専門家、デボラ・フラー氏は、「接種者の症状を抑えても、他者に移す可能性があれば、引き続きマスクを着用しなければならないだろう」と述べた。

2020年10月10日 ロイター通信/ワシントンD.C.ホワイトハウス、バルコニーでマスクを取り外し満面の笑みを浮かべるトランプ大統領

ワクチンの供給量も不安材料のひとつである。何億ものワクチンを全国各地に行き渡らせ、市民に接種するには、少なくとも数カ月、1年以上かかる可能性もある。

また、子供の接種試験はまだ始まったばかりである。効果と安全性が証明されるまで、子供たちはワクチンを接種できない

オペレーション・ワープ・スピードのモンセフ・スラウイ博士は、ファイザー社とモデルナ社のワクチンの有効性を考慮すると、来年5月頃には集団免疫を達成できる可能性があると予測した。

ただし、この予測は「十分な数の市民がワクチンを接種する」ことを前提としている。

ファイザー社のワクチンについて

・95%の確率で接種者を保護する。また、65歳以上の患者の保護率も94%を示した。

・2020年に最大5,000万回分、2021年に最大13億回分の投与を目指している。

・2回接種する必要がある。

・輸送時の温度管理(ー75℃前後)が懸案事項だった。

16歳の以上の人々に十分な安全を保証できる

・1回の投与で強力な保護を得られると米食品医薬品局(FDA)は判断した。ただし、最高の保護を得るためには2回接種すべきと推奨。

・男女、異なる人種や民族に等しく効果を発揮する。

種類保護率
接種回数
試験数
(公表数)
保存
期間
費用
ファイザー95%
2回
43,538人-75℃
5日
20ドル
モデルナ94.5%
2回
95人-20℃
6カ月
33ドル
オックスフォード62-90%
2回
24,000人冷蔵庫
4ドル
スプトーニクV92%
2回
20,000人冷蔵庫
10ドル

分かっていないこと

・HIV/AIDS患者やコロナウイルスから一度回復した人への効果。

・接種者はコロナウイルスから保護されるが、「ウイルスの拡散を防ぐ効果があるかどうか」はまだ分かっていない。

・接種者はコロナウイルスから完全に保護される?症状から保護される?

免疫を保持できる期間は?

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