◎ニュージーランド政府は23日、全国封鎖の期間を少なくとも8月27日まで延長すると発表した。
2021年8月23日/ニュージーランド、首都ウェリントンの政府庁舎、ジャシンダ・アーダーン首相(Robert Kitchin/Pool/AP通信)

ニュージーランド政府は23日、全国封鎖の期間を少なくとも8月27日まで延長すると発表した。全国封鎖は先週18日に発令され、3日間で終了する予定だったが、デルタ株の感染拡大を受けさらに延長されることが決まった。

保健当局によると、直近24時間の新規陽性者数は35件に増加し、過去最多を更新した。先週最大都市オークランドで初めて確認されたデルタ株は全国に拡大し、これまでに107人の陽性者が報告されている。なお、陽性者の大半はオークランドの住民。

保健当局は、濃厚接触者の追跡はほとんど終わっており、感染地域に的を絞ったロックダウンでデルタ株を抑え込むと述べた。また、過去6日間で総人口(約500万人)の約3%を検査したことも明らかにした。

ジャシンダ・アーダーン首相は23日、オークランドのロックダウンは少なくとも月末まで続くと述べ、デルタ株の抑え込みには国民の協力が必要不可欠と呼びかけた。「私たちは世界で起きていることを見てきました。デルタ株には注意が必要です...」

保健当局の予測によると、陽性者は今後数日でピークに達し、その後減少する見込みだという。

NZLのワクチン接種率は低く、接種を終えた人は人口の約20%にとどまっている。

アーダーン首相は議会の定例会を1週間停止することも合わせて発表した。野党党首のジュディス・コリンズ議員はこの決定を批判し、「政府はワクチン展開の失敗を認めず、その責任を国民に押しつけた」と述べた。「NZL人は世界で最も厳しいロックダウンの管理下に置かれています。国民はアーダーン首相のミスで自宅謹慎を命じられたのです」

NZLのロックダウンは世界で最も厳しい対策のひとつと見なされているが、生活必需品の購入、運動、犬の散歩などによる外出は可能。

一方、NZLの隣国オーストラリアもデルタ株の感染拡大に直面しており、政府はロックダウンの限界を認めた。

スコット・モリソン首相は23日、「ロックダウンは持続可能な方法ではない」と述べ、16歳以上のワクチン接種率が80%に達した州は州境を解放しなければならないと主張した。

AUSの保健当局によると、ニューサウスウェールズ州シドニーの直近24時間の新規陽性者数は800件を超え、過去最多を更新したという。

シドニーは6月末に封鎖され、その後封鎖地域はNSW全域に拡大された。なお、シドニーの封鎖は8月28日に終了する予定だったが、9月30日まで延長されることがすでに決まっている。

ビクトリア州メルボルンの直近24時間の新規症例は71件、首都キャンベラは16件。2都市とも封鎖中。

まだデルタ株の侵入を許していない西オーストラリアのマーク・マガワン州首相はモリソン首相の決定を批判し、16歳の以上の接種率が80%を超えても州境の閉鎖を維持すると誓った。

AUSのワクチン接種も低迷している。接種を終えた人は人口の約24%。

2021年5月31日/ニュージーランド、クイーンズタウンの会議場、NZのジャシンダ・アーダーン首相とAUSのスコット・モリソン首相(AP通信/デレク・チェン/NZヘラルド)
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