◎保健当局によると、3月31日の新規陽性者数は59,038件、死亡者は303人、全国の集中治療室(ICU)で治療を受けている患者は5,000人を超えたという。
2021年3月31日/フランス、エマニュエル・マクロン大統領のテレビ演説を見る家族(AP通信/Bob Edme)

3月31日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、コロナウイルスの急速な感染拡大を抑えるために、全国の学校を3週間閉鎖し、国内旅行を1カ月禁止すると発表した。

マクロン大統領はテレビ演説の中で、「国内の全ての学校はオンライン授業に移行してください」と述べた。「保育園、小学校、高校を3週間閉鎖します。また、すでに発効している夜間外出禁止令(午後7時~午前6時)も維持します」

マクロン大統領は、パリ地域やその他の地域で適用されている封鎖制限を少なくとも1カ月間、全国に拡大すると述べた。この制限により、必要不可欠な店舗以外は営業を許可されず、家族以外との接触と自宅から10km以上離れたエリアに移動することは原則禁止された

保健当局によると、3月31日の新規陽性者数は59,038件、死亡者は303人、全国の集中治療室(ICU)で治療を受けている患者は5,000人を超えたという。

マクロン大統領は「今行動しなければ状況はさらに悪化し、医療機関はコントロールを失うだろう」と警告した。また、4月中旬から60歳以上、5月中旬には50歳以上の全ての市民へのワクチン接種を開始すると約束した。政府は老人ホームなどで生活する70歳以上の高齢者と医療従事者への接種を優先してきた。

マクロン大統領は、「学校を閉鎖しイースター休暇の予定を早めることでさらなる感染拡大を防ぐ」と述べた。当局者によると、学校は来週5日間オンライン授業を行い、残り2週間はイースター休暇で閉鎖されるという。なお、必要不可欠な仕事(医師、インフラ関係など)に従事している労働者の子供は学校で授業を受けることができる。

国連教育機関の報告によると、フランスは昨年のパンデミック開始から合計10週間、イギリスは27週間、ドイツは28週間、アメリカは47週間学校を閉鎖したという。

政府の報道官は記者団に対し、「議会は今回の提案の内容を4月1日に議論する予定です」と述べた。

地元メディアによると、新規陽性者と重症者が急増した影響で、パリ都市圏の医療機関にかかる圧力は昨年のピーク時に近い状態まで悪化し、一部の病院は他の患者の治療を減らしているという。

フランス病院連盟(FHF)は先週、コロナ患者が増え続けた場合、全国の病院とICUは今後数週間で「前例のない危機」に直面すると警告し、政府に厳格な封鎖を速やかに開始するよう促していた。

フランスインターラジオのインタビューに応じたパリテノン病院のジル・ピアノ―医師は、政府の対応の遅れを厳しく非難している。「私たちは多くの命と時間を失いました。感染状況はすでに著しく悪化しており、今、街を封鎖しても感染者数は簡単には減少しないでしょう。医療関係者は疲れ切っています」

一方、地元メディアが行った最新の世論調査によると、市民は3回目の封鎖を支持しており、回答者の54%がマクロン大統領の対応に賛成したという。

パリのアンヌ・イダルゴ市長は31日の声明で、最後の手段と考えられていた学校の閉鎖と封鎖の拡大を支持した。

2021年3月31日/フランス東部ストラスブール、日光浴を楽しむ人々(AP通信/Jean-Francois Badias)
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