◎東欧諸国の感染拡大はコロナワクチンの展開失敗が主な要因と考えられている。
2021年10月22日/ロシア、首都モスクワの郊外に整備されたコロナ死亡者専用墓地(Alexander Zemlianichenko/AP通信)

10月26日、ロシアと東欧諸国のコロナウイルス感染拡大は収まる気配を見せず、多くの陽性者と死亡者が報告された。

東欧諸国の感染拡大はコロナワクチンの展開失敗が主な要因と考えられている。

ロシアの保健当局によると、26日の新規陽性者数は36,446件、死亡者は過去最多の1,106人。直近1週間の陽性者は1日あたり約35,000件、死亡者は約1,050人まで増加した。

ウラジーミル・プーチン大統領は先日、国民に10月30日~11月7日まで仕事を休むよう命じた。この間、国内の幼稚園、学校、娯楽施設、その他の小売店の大半は閉鎖される予定。飲食店はテイクアウト営業のみ可能。インフラ関係の企業、食料品店、薬局、ガソリンスタンドなどは営業を継続する。

プーチン大統領は演説の中で、60歳以上のワクチン未接種者は自宅にとどまり、必要不可欠な店舗や企業以外は全て閉鎖するよう地方自治体に命じた。これに伴い、一部の自治体は公共交通機関および屋内施設でのマスク着用を義務化する規則を施行した。

しかし、プーチン大統領の休暇命令発表後、黒海リゾートの航空券とホテルの予約数が急増し、南部の自治体は対応に追われた。

地元メディアによると、自治体は娯楽施設に閉鎖を命じ、飲食店やホテルの利用条件にワクチン接種証明の提示を追加したという。あるツアー会社は、エジプトのリゾート地へのツアー旅行が急増したと報告している。

ロシアは自国産ワクチン「スプートニクV」の接種を昨年8月に開始したが、接種率は低迷している。少なくとも1回接種した人は10月23日時点で人口の約36%、接種を終えた人は約33%。

ミハイル・ミシュスティン首相は26日の閣議の中で、「予防接種のペースを速めることが重要」と強調した。

一方、隣国ウクライナのワクチン展開はさらに遅く、接種を終えた人は26日時点で人口の約16%にとどまっている。26日の死亡者は過去最多を大きく更新する734人。ウクライナの人口は約4,100万人。

EU加盟国の中で最もワクチン接種率の低いブルガリアの25日の陽性者数は5,863件、死亡者は243人。ブルガリアの人口は埼玉県より少ない約700万人。医療専門家は「今回の感染爆発は国の医療システムを圧倒するかもしれない」と警告した。

ロシアと国境を接するエストニアは25日に施行したコロナ制限の強化を検討しているが、全国規模の封鎖には消極的と伝えられている。

一方、ラトビア政府は夜間外出禁止令を含む全国封鎖に移行した。期間は10月21日~11月15日の予定。

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