◎ボリス・ジョンソン首相「海外からの旅行者の入国を禁止し、新たなコロナウイルス変異種のリスクに対処する」
◎この規則は1月18日午前4時に発効する。
Getty Images/イギリス、ロンドン、ボリス・ジョンソン首相

1月15日、イギリスのボリス・ジョンソン首相は声明で、「海外からの旅行者の入国を禁止し、新たなコロナウイルス変異種のリスクに対処する」と発表した。

この規則は1月18日午前4時に発効される。イギリスに入国したい人は1月17日までにコロナ検査を受けたうえで陰性を証明し、手続きを終えなければならない。なお、解除後はこれまでの手続き(5日間の自己隔離後、検査で陰性を証明)に戻る予定だという。

この日、イギリス政府は南米諸国およびポルトガルに対する入国禁止措置を発効した。これらの国ではブラジルで確認された変異種の感染確認が相次いでいる。

ジョンソン首相はすべての海外旅行者を対象とした入国禁止措置について、「少なくとも2月15日まで継続する」と述べた。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、イギリスの累計感染者数は1月15日時点で332万人、累計死亡者は87,295人。15日の新規陽性者数は55,761件、死亡者は1,280人だった。なお、世界の累計累計死亡者は200万人を超えた。

ボリス・ジョンソン首相:
「追加規則で変異種のさらなる侵入を防ぐ。ワクチンへの期待は高まっているが、海外から新しい変異種が持ち込まれることで、私たちはリスクに直面する。今すぐ措置を講じなければならない」

ロイター通信/イギリス、ロンドン、ボリス・ジョンソン首相

イギリス政府は昨夏に海外旅行を解禁し、症例数の少ない国から観光客を受け入れ始めた。

航空業界団体、エアラインUKのティム・アルダースレイドCEOはBBCニュースの取材に対し、「海外旅行の再開は業界の生命線だったが、状況は変わった。受け入れ禁止は感染拡大と変異種の侵入を止めるための必要な措置と理解している」と述べた。

一方、野党労働党のキール・スターマー卿は受け入れ禁止を正しい措置と認めたうえで、「発効のタイミングが遅く、国民はなぜ今まで実行しなかったのかと疑問に思うだろう」と対応の遅れを非難した。

ジョンソン首相は声明の中で、「国民保健サービス(NHS)は異常な圧力に直面しており、今週初めの入院患者の急増で危機的状況に陥っている」と警告した。

当局によると、1月12日の全国の新規入院患者数は過去最高を更新する4,134人だったという。

イングランドの入院患者数は15日時点で37,000人を超えており、NHSの当局者は「極めて厳しい状況にある」と語った。

一方、政府の主任科学顧問、パトリック・ヴァランス博士は記者会見で、「新しく確認された変異種は現在のコロナワクチンで回避できるかもしれない。また、突然変異に対応するためのワクチンの調整は非常に簡単だった」と述べた。

パトリック・ヴァランス博士:
「私たちが持っているワクチンは、イギリスの変異種から接種者を保護し、他の変異種に対しても効果を発揮する可能性が高いと思う」

「ただし、予防接種を受けたからといって、コロナウイルスおよび変異種から確実に保護されるという保証はない。ワクチンは病気の重症化を防ぐものだと理解し、引き続き感染予防対策を徹底してほしい」

新たな危機を引き起こすと懸念されている変異種はイギリスと南アフリカで確認され、すでにアメリカ、ヨーロッパ、日本などにも広まっている。

イングランドのロックダウン(完全封鎖、期間:2月中旬まで)

・不要不急の外出禁止。
・一部の例外を除き、学校および大学はオンライン授業に移行。
・保育園は継続。
・必須小売店(食料品店、薬局など)以外はすべて閉鎖。
・屋内外スポーツ施設は全て閉鎖。
・屋外の公園や運動場は営業可能。
・飲食店はデリバリーのみ許可される。ただし、アルコールの販売は禁止。
・アマチュアスポーツの活動は禁止。
・プレミアリーグなどのプロスポーツは継続。
・共同の宗教施設(礼拝所など)は営業可能。
・結婚式などのイベントは原則禁止。
・他の世帯の住民に会う場合、できるだけ早く、少なくとも5日間、不要な社会的接触を停止する。
・子供もガイダンスに従うこと。
・別居中の親とその子供の接触は免除される。
・違反者には200ポンド(28,000円)~最大6,400ポンド(900,000万円)の罰金が科される。

・1月15日に南米諸国およびポルトガルに対する入国禁止措置を発効。
・1月18日から海外からの旅行者の入国を禁止。期間は2月15日まで。

※スコットランド、ウェールズ、北アイルランドでも同様の制限が発出されている。

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