これまでアメリカや欧州に比べると、比較的感染は緩やかだったが・・・

12日、ロシア国内におけるコロナウイルスの累計感染者数は232,000人を突破。アメリカに次ぎ、世界で二番目に多くの感染者を出している。

同日、当局は新たに10,899人の新規感染が確認されたと報告した。24時間の感染者数が10,000人を超えたのは10日連続。また、その中にはプーチン大統領のスポークスマンを務めるドミトリー・ペスコフ氏も含まれている。

政権内で感染が確認されたのは、ミハイル・ミシュスティン首相に続き5人目となった。

プーチン大統領は、11日にロックダウンの緩和を発表。地域の状況に応じて制限を緩和できることとし、多くの企業が活動を再開した。しかし、感染者が急激しているにも関わらず規制を緩めたことに対し、懐疑的な意見も寄せられている。社会的距離の確保と個人レベルでの感染予防対策は現在も奨励されているが、政府は難しい判断を迫られている。

ただし、感染者数は世界で二番目に多いにも関わらず、死者数は2,116人に抑えられている。当局はPCRの検査体制が充実していることと、早期発見の効果が出ているというが、特筆優れた体制を敷いているとは言えず、欧州各国と同レベル、もしくはそれ以下である。

特定の地域で死亡率が低い理由は現在調査中。様々な憶測がネット上に拡散されているが、どれも決め手に欠けるものである。

ロシアの今

地元メディアは12日にペスコフ氏がコロナウイルスに感染し、病院で治療を受けていると報じた。同氏は、「感染したことは間違いない。現在療養中だが、すぐに復帰できるだろう。医療関係者に心から感謝する」とコメントを発表した。

ミシュスティン首相は約2週間前に感染。以降、文化相のオルガ・リュバモバ氏、建設相のウラジーミル・ヤクシェフ氏、その代理一名の感染が確認されている。

ペスコフ氏はTASS通信社の取材に対し、プーチン大統領と最後に顔を合わせたのは1カ月以上前だと語った。なお、現在大統領は首都の郊外にある住居で働いており、クレムリンの執務室は使用していない。

11日、ロックダウン緩和を発表したプーチン大統領は、「危機が去ったわけではない」と警告を発したうえで、低迷する経済活動を元の状態に戻すべきと判断し、今回の決断に至ったと説明した。しかし、ウイルスの感染拡大に歯止めがかからない場合は、より厳しい制限を設けるかもしれない、と付け加えた。

首都モスクワの感染者および死者数は、同国累計の半数以上を占めている。先週、モスクワのセルゲイ・ソビャーニン市長はロックダウン措置を5月31日まで延長すると発表。労働者たちを一刻も早く仕事に戻したいが、今はウイルスとの闘いに集中すべきであると述べた。

モスクワ市内のスーパーマーケットや公共交通機関を利用する際は、マスクと手袋の着用が必須である。また住民は、買い物、仕事、犬の散歩以外で外出できず、屋外に出る時はデジタル許可を受けねばならない。

ソビャーニン市長は、モスクワの感染者数が30万人規模に達するかもしれないと警告し、住民たちにさらなる感染予防の徹底を求めた。

世界の今

●ジョンズ・ホプキンズ大学の調査によると、アメリカの感染者数は130万人を超えた。欧州各国およびロシアの約6倍に達し、パンデミック終息の兆しは見られない。また死者数は81,000人を突破した。

●イギリスの死者数が32,000人を突破。ただし、病院外で亡くなった者はその数に含まれていない

●フランスの死者数は約27,000人、スペインを上回った。なお、24時間当たりの死者数は減少傾向にある。12日は348人が亡くなった。

●レバノン、ロックダウンを緩和したことで感染者数が急激に増加。封鎖措置を復活させた。

●ドイツ国内の感染者数がロックダウン緩和後、増加傾向にある。同国の専門家たちは、社会的距離の確保と防護具を正しく着用すれば問題ないと述べた。

●中国武漢、コロナウイリスの震源地でクラスターが発生。当局は、住民1,100万人全員にPCR検査を実施すると発表した。

●韓国ソウルのゲイクラブでクラスターが発生。ロックダウンを緩和した直後の事案であった。確認された感染者は102人。当局は、同地域周辺にいたとされる11,000人をPCR検査対象にすると発表した。

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