2020年4月7日 Getty Images/ワシントンD.C.ホワイトハウス、トランプ大統領とファウチ博士

世界最悪の第二波に直面しているアメリカの累計感染者数は約1,160万人、累計死亡者数は25万人を超えた。

アメリカの新規陽性者数は大統領選当日の11月3日から急激に増加し、先週は連日過去最高を更新した。

国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長はBBCニュースの取材に対し、「非常に不安定な時期に間違った方向に進んでいる」と述べ、冷え込みが強くなる年末にかけて状況はさらに悪化する可能性もあると警告した。

春のパンデミックで震源地になったニューヨーク市は感染者数の急増を受け、19日から公立学校の閉鎖を決めた。

ニューヨーク市の保健当局はこの措置について、「検査陽性率が規定値の3%を超えたため」と述べた。

同市の公立学校規模は全米最大。約30万人の児童が影響を受けることになる。

ファウチ博士「困難な状況にある」

BBCニュースのインタビューに応じたファウチ博士は、マスクの着用、社会的距離の確保、人混みの回避などの公衆衛生対策をより厳しく徹底するよう呼び掛けた。

アンソニー・ファウチ博士:
「状況は極めて深刻」

「人々は屋内施設にこもり、窓を閉め切っている。今のまま冷え込みが厳しくなると、私たちはますます深刻な状況に陥るだろう」

「対策はとてもシンプルだが、素晴らしい効果を発揮する。しかし、皆、コロナウイルスとの戦いに疲労感を覚えている。対策を順守することは簡単ではない」

ファウチ博士は市民に、「ワクチンが到着するまで引き続き感染予防対策を徹底し、持ちこたえてほしい」と呼びかけた。

3月末、ファウチ博士は国内の死亡者数が10万~20万人に達する可能性もあると警告していた。

2018年8月2日 AP通信/メリーランド州、シルバースプリングにある食品医薬品局(FDA)の施設

ABCニュースによると、ファイザー社とパートナーのバイオエヌテックは臨床試験中(フェーズ3)のコロナウイルスワクチンの「最終分析結果」を18日に公開し、「95%以上の患者に効果を発揮することが分かり、数日以内に食品医薬品局(FDA)に緊急認可を申請できる」と発表したという。

一方、16日に臨床試験結果を公表した米バイオテクノロジー企業のモデルナ社もプレスリリースの中で、コロナウイルスに感染した95人の参加者を含むデータの初期分析で94.5%の有効性を確認したと述べている。

モデルナファイザー
保護率94.5%90%
95%
試験数95人43,538人
保存ー20℃ー75℃
保存期間6カ月5日

ニューヨーク市の制限(11月19日時点)

現在、オレンジゾーンとイエローゾーンのエリアが拡大している

レッドゾーン

学校:公立学校と非公立学校は全て閉鎖。オンライン授業に移行。

事業:重要でない事業は全て閉鎖。ニューヨーク州エンパイアステートデベロップメントコーポレーションによって指定された重要なビジネスのみ営業可能。

フードサービス施設:レストラン、バー、カフェ、その他のフードサービス施設は、テイクアウトと配達サービスのみ可能。屋内または屋外での食事は禁止。

礼拝所:最大10人まで、収容人数は25%以下を順守。

集会:禁止。集会を奨励、促進、または組織する個人には、1日あたり最大15,000ドルの罰金が科せられる。

オレンジゾーン

学校:公立学校と非公立学校は全て閉鎖。オンライン授業に移行

事業:ジム、フィットネスクラブ、理髪店、ヘアサロン、スパ、タトゥーパーラー、ピアスパーラー、ネイルサロン、レーザー脱毛や電気分解などのパーソナルケアサービスは閉鎖 。

フードサービス施設:レッドゾーンと同じ。

礼拝所:最大25人まで、収容人数は33%以下。

集会:10人以下まで。集会を奨励、促進、または組織する個人には、1日あたり最大15,000ドルの罰金が科せられる。

イエローゾーン

学校:授業を継続。

事業:継続。ただし、地域のコロナウイルス感染予防対策を順守。

フードサービス施設:屋内および屋外での食事を許可。テーブルの最大人数は4人。

礼拝所:収容人数は50%以下。

集会:最大25人まで。大人数の集会を奨励、促進、または組織する個人には、1日あたり最大15,000ドルの罰金が科せられる。

2020年9月 Getty Images/ニューヨーク市ブルックリン区、屋外で授業を受ける生徒

ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は声明の中で、「当局は非常に明確な基準を設定しており、私たちはその基準に従い行動しなければならない」と述べた。

なお、企業は活動を継続できるため、保護者は育児と仕事の両立を迫られることになる

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