◎共産党はコロナ感染死の定義を狭めているため、公式発表は現場の実態を反映しておらず、国際社会を困惑させている。
2023年1月6日/中国、北京の駅(Getty Images/AFP通信)

中国で3番目に人口の多い河南省の保健当局は9日、人口の90%近くがコロナウイルスに感染したとみられると発表した。

河南省の人口は約1億人と推定されている。

中国の医療従事者は前例のない感染拡大と闘っている。

一部地域では強制PCR検査の廃止などに抗議するデモが行われた。

河南省の保健当局は新規陽性者と死者数には言及せず、過去数週間で人口のおよそ9割が感染したと思われると報告した。

当局によると、発熱外来を受診する人の数は先月19日にピークに達し、現在は減少傾向にあるという。

河南省の報告は中央政府が公表している数字と大きくかけ離れている。

公式データによると、ゼロコロナ政策緩和以降の陽性者はわずか12万人、死者は30人。

共産党はコロナ感染死の定義を狭めているため、公式発表は現場の実態を反映しておらず、国際社会を困惑させている。

他の地方都市も中央政府のデータとは全く異なる新規陽性者を報告している。青島市の保健当局は昨年末、1日当たりの新規は50万人前後で推移していると報告した。

一方、中央政府の保健当局は9日、米ファイザー製の飲み薬「パキロビッド」の価格が高騰していることを受け、医療保険制度の対象から除外すると発表した。

パキロビッドは3月31日まで保険の対象となるが、それ以降は対象外になる予定だ。

ファイザー社は中国政府およびすべての関係者と協力し、中国における同薬の安全かつ適切な供給を継続すると声明を出した。

共産党は8日、外国人入国者向けの検疫を廃止し、香港との往来も再開した。

国営メディアによると、春節休暇前にもかかわらず、7日に国内旅行で移動した人は3470万人に達したという。

帰省ラッシュは今月末にピークを迎えると予想されている。期間中に移動する人はのべ20億人以上に達すると見込まれている。

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