◎オーストリアは先月末、4度目の全国封鎖とワクチン未接種者の行動を制限する規則を発効した。
2021年12月11日/オーストリア、首都ウィーンで開催されたコロナワクチンの義務化に反対する抗議デモ(Getty Images/AFP通信)

12月11日、オーストリアでコロナワクチンの接種義務化に反対する大規模な抗議デモが開催され、多くの極右組織が参加した。

警察によると、ウィーンのデモには約44,000人が参加したという。他の都市でも数百人規模のデモが開催されたと伝えられている。

オーストリアは先月末、4度目の全国封鎖とワクチン未接種者の行動を制限する規則を発効した。

アレクサンダー・シャレンバーグ首相は11月22日の演説で、全国封鎖は12月13日に解除したいと述べていたが、その前に発効したワクチン未接種者限定の外出禁止令は封鎖を解除した後も維持される可能性が高いと警告していた。

オーストリア放送協会によると、全国封鎖は予定通り12月12日の深夜に終了し、ワクチン未接種者限定の外出禁止令は維持されることが決まったという。

極右の自由党の支持者たちは、今回の制限と2022年2月1日施行予定の「14歳以上の全国民を対象とするコロナワクチン接種義務化」に強く反対しており、各地で「反抗キャンペーン」を展開している。

西側諸国の中で大半の国民にワクチン接種を義務付けると表明した国はオーストリアが初めて。

反対派は基本的人権のひとつである自由権を侵害すべきではないと主張している。一方、政府はワクチンを無理やり接種するわけではないと述べているが、14歳以上で接種を拒否した個人は最大3,600ユーロ(約46万円)の罰金に直面する可能性がある。

オーストリア放送協会によると、罰金額は個人の収入や経済状況などを考慮する予定だという。また規則の草案によると、当局はワクチン未接種者に3か月ごとに通知を送る予定で、未接種者は締切日までに接種を終えるか、接種できない理由を医師などに証明してもらう必要がある。

締め切り日までに対応しなかった未接種者は罰金を支払い、3か月後に再び通知を受け取ることになる。

ウィーンのホーフブルク王宮広場に集まった抗議者たちは「強制ワクチン接種反対」と書かれた旗を掲げ、政府に方針を見直すよう求めた。一部の極右団体は「抵抗!」と叫び、警察にペットボトルやゴミを投げつけていた。

ワクチン義務化法案を担当するカロリン・エドスタッドラー内相は9日の声明で、「未接種者を罰したくない」と述べた。「まだ(14歳以上の)100万人以上がワクチンを接種していません。私は数万人を殺したコロナを抑えるために、全国民に連帯を示してもらいたいと思っています...」

保健当局によると、12月10日の新規陽性者数は3,659件、死亡者は65人。直近1週間の陽性者は11月末のピークの3分の1に減少したが、それでも1日あたり5,000件を超えている。オーストリアの人口は大阪府とほぼ同じ。

ワクチン完全接種率は12月10日時点で人口の約68%。

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