◎11月22日、オーストリアはコロナウイルスの感染再拡大に伴う4度目の全国封鎖に移行した。
2021年11月20日/オーストリア、首都ウィーンのカフェ(Vadim Ghirda/AP通信)

11月22日、オーストリアはコロナウイルスの感染再拡大に伴う4度目の全国封鎖に移行した。封鎖は20日間維持される予定で、政府は10日後に感染状況を再評価する。

政府は国内の労働者にテレワークを強く求め、必要不可欠な店舗(食料品店や薬局など)以外に閉鎖を命じた。学校の対面授業は医療やインフラ部門で働く労働者のために維持されるが、当局は全国の保護者に、可能であれば子供と共に自宅にとどまるよう促した。

ヴォルフガング・ミュクシュタイン保健相は21日、オーストリア放送協会のインタビューの中で、「今すぐ対応しなければならない」と国民に呼びかけた。「ロックダウンとワクチン接種は感染者を減らす唯一の選択肢です...」

しかし、封鎖に先立ち、首都ウィーンを含む主要都市で政府の対策に反対する数万人規模の抗議デモが開催され、一部の抗議者はマスクを着用せずに大声で叫び、花火を打ち上げ、警察官を罵った。

アレクサンダー・シャレンバーグ首相は12月13日に封鎖を解除したいと述べたが、先週発効したワクチン未接種者限定の外出禁止令は封鎖解除以降も維持される可能性がある。

週末のカフェ、レストラン、クリスマスマーケットは、封鎖前最後の休暇を楽しむ人々で賑わった。現地メディアによると、ウィーンのクリスマスマーケットは特に混雑したという。

AP通信の取材に応じたある家族は、「クリスマスを感じる最後のチャンスです」と語った。「20日後に医療機関の状況が変わっていなければ、封鎖は維持されるでしょう。私たちはワクチンを接種していますが、封鎖は必要だと信じています」

オーストリア放送協会によると、過去24時間の新規陽性者は20日と同程度になる見込みだという。20日の陽性者は過去最多を更新する15,297件、直近1週間の陽性者は10万人あたり1,000件を超え、特に感染の深刻なザルツブルク州とオーバーエスターライヒ州の医療機関は患者の波に圧倒されている。

シャレンバーグ首相は先日の演説で2022年2月1日からワクチン接種を義務化する予定と発表したが、計画の詳細はまだ明らかにしていない。

シャレンバーグ首相は地元紙のインタビューの中で、「ワクチンの重要性を強く訴えてきたつもりだったが、強制することになり悲しい」と述べた。オーストリアの完全接種率は20日時点でEU平均より低い約66%。

一方、カール・ネハマー内相は21日、反コロナワクチン抗議が過激化していると懸念を表明した。ネハマー内相はオーストリア放送協会の取材に対し、「非常に多様なグループが反対運動に参加し、右翼の過激派やネオナチも関与している」と述べた。

オーストリアのコロナ対策に抗議するデモは他の欧州諸国に波及し、一部で暴動に発展した。

ベルギーの首都ブリュッセルにはワクチンパスポートの導入に反対する抗議者数万人が集まり、一部の暴徒と警察が衝突した。

オランダでは3日連続で暴動が発生し、南部の都市ローゼンダールで暴徒と警察が衝突した。負傷者は報告されていないが、地元メディアは暴動に関与した15人が逮捕されたと報じた。オランダの部分封鎖は12月3日まで続く予定。

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