◎フランスの捜査チームが求めている情報や尋問を行う日などについては明らかにされず。
◎カルロス・ゴーン氏は、2018年末に金融商品取引法違反の罪で逮捕された。
◎2019年、ゴーン氏は日本から映画のように緊急脱出し、同年12月30日にレバノンに到着した。
2020年9月29日 AP通信/レバノン、首都ベイルート、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン氏

12月26日、レバノンの法務省は声明で、「来月、フランスの捜査チームがルノー・日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン氏を尋問する」と述べた。

当局者は、フランスの捜査チームが求めている情報や尋問を行う日などについては明らかにしなかった。

2019年、ゴーン氏は日本から映画のように緊急脱出し、同年12月30日にレバノンに到着した。一連の脱出劇は大きな話題を呼び、日本の検察は逃亡者ゴーンを必ず捕縛すると誓約した。

AP通信によると、レバノンの法務省はフランスの捜査チームに協力する予定だという。なお、捜査に関する情報は一切公表されておらず、フランス司法当局もコメントの要請には応じていない。

日産自動車を約20年間率いたゴーン氏は、2018年末に金融商品取引法違反の罪で逮捕された。

逮捕後、ゴーン氏は不正行為を否定したうえで、保釈中に国外逃亡した。

フランス警察は、少なくともゴーン氏に関連する2つの調査を行っている。

1つは、ルノーと「オマーンの販売業者」で取り交わされた疑わしい取引および、オランダに拠点を置く持ち株会社「RNBV」が支払ったとされる個人旅行やイベントの疑わしい支払い。

もう1つは、ヴェルサイユで開催したパーティーに会社の資金を使ったと疑われている件。調査の結果はまだ明らかにされていない。

ゴーン氏は、ルノーとオマーンのSBA自動車販売店の間の「疑わしい資金の流れ」についても関与を指摘されている。

ゴーン氏を弁護するフランスの弁護士は、「SBAへの資金の流れ(支払い)は、ペルシャ湾沿岸地域の自動車販売で成果を上げたことに対する正当なボーナスである。また、支払ったボーナスがゴーン氏または彼の家族に利益をもたらしたという事実はない」と指摘を却下した。

ルノーは昨年の会見で、「日産の内部監査の結果、RNBVに提供された疑わしい資金(不適切な空の旅、個人的な支出、非営利団体への寄付など)の総額は1,100万ユーロ(約14億円)にのぼることが判明した」と発表した。

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