◎サイクロン・バツィライは5日にマダガスカルに最接近する見込みで、最大風速は50~55m/sに達する可能性がある
2月4日、南米マダガスカルの政府は今年2度目のサイクロン接近に備えるよう国民に促し、湾沿いの地域はサイクロンが接近する前に避難を開始するよう警告した。
マダガスカルは1月末にサイクロン・アナの被害を受けたばかりであり、当局は広範囲に被害が及ぶ可能性があると懸念を表明している。
サイクロン・アナはマダガスカル、モザンビーク、マラウイに深刻な被害をもたらし、少なくとも数十人が死亡、数十万人が避難を余儀なくされた。マダガスカルの犠牲者は分かっているだけで55人、13万人以上が自宅を失ったと報告されている。
マダガスカルの予報官によると、「サイクロン・バツィライ」は5日に最接近する見込みで、最大風速は50~55m/sに達する可能性があるという。また5日の雨量は最大300mmと予想されており、当局はサイクロン・アナの被害を受けた地域では鉄砲水が発生する可能性があると警告した。
地元メディアも地滑りや洪水に警戒するよう国民に繰り返し呼びかけている。報道によると、首都アンタナナリボの一部の学校は4日に閉鎖され、体育館と校舎を避難所として開放したという。
世界食糧計画(WFP)のインド洋部門の責任者はソーシャルメディアに、「WFPは支援の準備を進めている」と投稿した。
マダガスカルのWFP職員によると、避難所はひどく混雑し、サイクロン・アナで自宅を失った人々の多くが食糧支援を求めているという。
首都アンタナナリボの住民は屋根の上にレンガを置き、暴風雨に備えていた。住民はロイター通信の取材に対し、「家が吹き飛ばされないことを願っている」と述べた。
ラハリニリナ環境相はロイター通信の取材に対し、「サイクロン・バツィライの規模は2004年のハリケーン以来最悪で、60万人に影響を与える可能性がある」と述べた。
WFPによると、インド洋のサイクロンは南アフリカの貧しい地域の農作物に深刻な影響を与え、食料価格の高騰と食料不安を悪化させているという。
WFPのマーガレット・マル担当官は4日、ソーシャルメディアに、「アフリカ南部は気候変動の影響を最前線で受け、嵐が通過するたびにこれまでの進歩がリセットされる」と投稿した。
2004年3月にマダガスカルの北部を通過したサイクロン・ガフィロは島のインフラと農作物を破壊し、首都アンタナナリボだけで200人以上が死亡、沈没したフェリーに乗っていた100人以上が行方不明になり、少なくとも30万人が自宅を失いホームレスになった。ガフィロの最大風速は65m/s、最大瞬間風速は75m/sと推定されている。