◎アフリカ南部の雨季は3月頃まで続く。
2022年1月25日/モザンビーク、北部の都市テテ、崩壊した家屋と女性(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

1月27日、アフリカ南部の近海で発生した熱帯低気圧はモザンビーク、マラウイ、マダガスカルに大雨をもたらし、多くの地域で洪水や土砂崩れが発生した。

マダガスカルでは27日時点で41人の死亡が確認され、10万人以上が避難所に身を寄せている。

マラウイでは少なくとも19人が死亡し、数十人が負傷した。地元メディアによると、政府は大規模災害を宣言し、深刻な被害を受けた地域に軍を派遣したという。

モザンビークの犠牲者は12人と伝えられている。政府当局によると、影響を受けた地域は広範にわたり、洪水で住居を失った市民は2万人に達する可能性があるという。

モザンビークのザンベジア州では橋が崩壊し、多くの家屋が浸水被害に見舞われ、屋根の上で助けを求めている人が複数いると伝えられている。

モザンビークの災害管理局の推定によると、約3,000戸の家屋が浸水被害または部分的に破壊され、600戸以上が全壊した可能性があるという。

熱帯低気圧は3カ国から離れたものの、通り道に前線を残し、被害を拡大させた。

モザンビークのロザーリオ首相は先日放送されたラジオ演説の中で、国際社会に支援を呼びかけた。

またロザーリオ首相は、「異常気象の頻度と強度は確実に増加している」と警告した。「モザンビークは温暖化にほとんど貢献してませんが、その影響を最も強く受け苦しんでいる国のひとつです...」

ユニセフはモザンビークに職員を派遣する予定。支援を必要とする被災者は45,000人にのぼると推定されている。

マラウイの大雨と洪水は家屋だけでなく電力インフラに打撃を与え、停電エリアはほぼ全国に拡大した。電力会社によると、27日の時点で主要都市の停電はほぼ解消したが、一部地域で復旧作業に遅れが出ているという。

マラウイ政府は数千人の被災者を保護するために、全国に44の避難民キャンプを設置した。

チクワワ県で農業を営んでいる男性はロイター通信の取材に対し、「私のトウモロコシ畑は完全に水没してしまいました」と語った。

別の住民は暴風で屋根が吹き飛び、近所の家屋も軒並み全壊していたと説明した。

マダガスカルの大雨と洪水は1月24日にピークに達し、首都アンタナナリボの学校や公共施設は避難者で埋めつくされた。

10人家族の母親はAFP通信に、「家は流されたかもしれない」と語った。

アフリカ南部の気象当局によると、数日中に近海で新しい熱帯低気圧が発生し、接近する可能性があるという。アフリカ南部の雨季は3月頃まで続く。

2022年1月25日/マラウイ、チクワワ県、増水した川を渡る人々(Getty Images/AFP通信)
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