◎パク前大統領は複数の罪で有罪判決を受け、収監されていた。
12月24日、韓国政府は同国初の女性大統領である朴 槿恵(パク・クネ)前大統領に特別恩赦を与えると発表した。
法務省は声明の中で、「パク氏に対する恩赦は、コロナウイルスの感染拡大などによって悪化した国の分裂を回復し、団結を促進することを目的としている」と述べた。
パク氏は複数の汚職容疑で告発され、2017年3月に弾劾が成立したことで職を追われ、翌年、懲役24年の実刑判決を言い渡された。(その後の控訴審を経て、22年の実刑が確定)
韓国の聯合(れんごう)ニュースなどによると、パク氏は今年、慢性的な肩の痛みと腰痛で3回入院したという。
聯合ニュースは24日、特別恩赦について、「当局はパク氏の健康状態が悪いことを考慮し、恩赦リストに追加した」と報じた。
文在寅 大統領は以前、パク氏に対する恩赦を否定していたため、24日の発表は驚きをもって報じられた。
パク氏の汚職スキャンダルは何カ月にもわたる街頭抗議に発展し、一部の暴徒化した抗議者は警察と何度も衝突した。
パク氏は18件の罪のうち16件で有罪を言い渡され、そのほとんどが賄賂に関連していた。
裁判所は、パク氏が親友の崔 順実(チェ・スンシル)受刑者と共謀して通信大手サムスンや小売り大手のロッテなどに、チェ受刑者が運営する財団に数億円を寄付するよう圧力をかけたと裁定した。
さらにパク氏は、友人らに大統領の機密文書を漏らした罪でも有罪を言い渡された。
パク氏はすべての罪状を否認したが、韓国人は現職の汚職スキャンダルを「国の恥」と呼び、厳しく断罪した。
検察側は2018年2月に懲役30年、罰金1,185億ウォン(約114億円)を求刑し、ソウルの地方裁判所は2か月後に懲役24年、罰金180億ウォン(約17億円)を言い渡した。その後、控訴審や他の裁判など紆余曲折の末、懲役22年が確定した。
パク氏は1961年の軍事クーデターを主導した朴 正煕(パク・チョンヒ)元大統領の娘であり、韓国を貧困から救った保守派の英雄の後継者として2012年後半に選出された。
リベラル派のムン大統領は保守派の汚職スキャンダルを追い風に支持を集め、2017年の特別補欠選挙で勝利した。
韓国の大統領選挙は来年3月9日に行われる予定。韓国の大統領の任期は5年で、再選は認められていない。