◎11月26日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国内で最も裕福な実業家とロシア人がクーデターを企てていると明らかにした。
11月26日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国内で最も裕福な実業家とロシア人がクーデターを企てていると明らかにした。
ゼレンスキー大統領は記者会見の中で、来週の木曜日または金曜日にクーデターが計画されているという情報を確認したと述べた。
ゼレンスキー大統領は計画の詳細は公表しなかったが、実業家で元議員のリナト・アフメトフ氏とロシア人がクーデターの資金に関する話し合いを行ったと述べ、「会話の音声データを持っている」と明らかにした。
ゼレンスキー大統領は記者団に、「フェセンコ氏はウクライナとロシアの戦争に引きずり込まれている」と述べ、「クーデター計画について知っているかもしれないし、知らないかもしれない」と述べた。また、ロシア政府の関与については言及しなかった。
AP通信によると、アフメトフ氏の事務所はクーデター計画への関与を強く否定したという。アフメトフ氏は声明の中でゼレンスキー大統領の主張を「絶対的なウソ」と呼んだ。
ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官も関与を強く否定した。「ロシア政府はクーデター計画など知りませんし、全く関与していません...」
ペスコフ報道官は、ウクライナ東部国境付近にロシア兵推定90,000人を追加配備した件に関する質問を却下した。
米国務省のヨーロッパおよびユーラシア問題を担当するカレン・ドンフリート次官補は26日の会見でクーデター疑惑について、「ウクライナ政府と緊密に連絡を取り合っている」と述べた。
一方、NATO(北大西洋条約機構)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は26日、「ウクライナに対するロシアの武力行使は多くの犠牲を伴う」と警告した。「ロシア軍の増強は脅威であり、戦争が起こるかもしれないという合図です。今日、戦争が勃発するかもしれません。私たちは来るべき時に備えています」
ロシアは2014年にウクライナ南東部のクリミア半島を併合し、クリミアを「自国の領土」と宣言したが、国際社会はこれを認めていない。
その後、クリミアの北東部に位置するドネツクとルハンシクの分離主義者はウクライナからの独立を宣言した。ロシアは「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認したが、国際社会とウクライナは分離主義者をテロリストと見なし、非難した。
ウクライナ東部で進行中のドンバス戦争は2015年の停戦協定ミンスクⅡの締結以来、大きな戦闘は報告されていないが、小競り合いは続いている。
ウクライナのシンクタンク、ペンタセンターの責任者であるウォロディミル・フェセンコ氏はAP通信に、「アフメトフ氏が所有するテレビ局は過去2カ月、ゼレンスキー大統領に対する情報戦争を仕掛けていた」と語った。「ゼレンスキー大統領はアフメトフ氏に反撃しました。ただし、クーデター計画が話し合われたかどうかは不明です...」
現地メディアによると、ゼレンスキー大統領がクーデターの日と主張した12月1日には、大統領府周辺で大規模な抗議デモが予定されているという。
ゼレンスキー大統領は会見の中で、シャルル・ミシェル欧州理事会議長とアンゲラ・メルケル独首相の要請に基づき、まもなくロシア当局と何かしらの協議を行うと述べたが、ウクライナ軍は東部の国境付近を完全に支配しており、衝突に対応する準備はできていると強調した。