◎議員団は会談後の声明で、レバノンの現状と諸問題についてジョー・バイデン大統領と上下両院に報告すると述べた。
2021年11月20日/レバノン、ベイルートの政府庁舎、左から米国のダレル・アイサ下院議員、ダリン・ラフッド上院議員、レバノンのナジブ・ミカティ首相(Dalati Nohra/AP通信)

11月20日、米国の議会議員団が経済危機の真っただ中にあるレバノンを訪問し、ナジブ・ミカティ首相らと会談した。

議員団は会談後の声明で、レバノンの現状と諸問題についてジョー・バイデン大統領と上下両院に報告すると述べた。9月に発足したミカティ政権は、公約のひとつである国内の政治改革と国際通貨基金(IMF)との援助交渉で苦労している。

共和党のダリン・ラフット上院議員とダレル・アイサ下院議員らは19日にレバノンに到着し、3日間滞在する予定。両議員らはミシェル・アウン大統領とも会談した。

レバノンは過去150年の中で世界最悪のひとつと見なされている経済危機の真っただ中にあり、2019年の危機発生からわずか数カ月で貧困率は人口の50%を超え、通貨価値は暴落し、ハイパーインフレは国民の預金を紙屑に変え、失業率を前例のないレベルに押し上げた。レバノン政府は、米国にテロ組織に指定されているイスラム過激派組織ヒズボラの支配下に置かれている。

会談に同行した米国のレバノン問題対策チームのエドワード・ガブリエル氏は地元メディアの取材に対し、「米国の代表団はレバノンで進行中の問題を直接確認し、レバノンで生活する全ての人々を助けるために行動する」と語った。

ミカティ首相のスポークスマンは会談終了後、「米国のレバノンに対する継続的な支援に感謝する」と声明を発表した。

レバノンは燃料および電力危機にも悩まされており、首都ベイルートでも1日の大半は停電し、燃料価格の高騰は発電機に依存する家族の生活をひどく圧迫している。

しかし、レバノンの主要な貿易相手国であるサウジアラビアは先月、レバノンの大使を国外に追放し、レバノンからの輸入を禁じる厳しい措置を講じた。サウジアラビアの同盟国であるバーレーン、アラブ首長国連邦、クウェートもレバノンの大使を国外に追放している。

レバノンのジョージ・コルダヒ情報相は大臣就任前の8月に収録されたテレビインタビューの中で、進行中のイエメン内戦を「無駄」と呼び、イエメンの大部分を支配するイスラム過激派組織フーシを擁護し、サウジアラビアを激怒させた。サウジ主導の連合軍は、国際的に認められているイエメン政府と共にフーシ派と戦っている。

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