◎レバノンのジョージ・コルダヒ情報相はイエメン内戦でイスラム過激派組織フーシと戦っているサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を侵略者と呼んだ。
10月29日、サウジアラビア政府はレバノン大使に48時間以内に国から離れるよう命じ、レバノンからの輸入を全面禁止すると発表した。
レバノンのジョージ・コルダヒ情報相はイエメン内戦でイスラム過激派組織フーシと戦っているサウジとアラブ首長国連邦(UAE)を侵略者と呼んだ。
世界最大の石油生産国兼輸出国である中東の大国サウジアラビアはレバノンの主要な貿易相手国である。
サウジの発表から数時間後、バーレーン政府もイエメン大使を国外追放すると発表した。
レバノンの現地メディアによると、ナジブ・ミカティ首相はコルダヒ情報相に「適切な対応」を取るよう強く求めたという。ミカティ首相は緊張を緩和するためにコルダヒ情報相に辞任を求めたと思われる。
コルダヒ情報相は今週放送されたインタビュー(8月収録)の中で、イエメン内戦を「無駄」と呼び、フーシ派は侵略者に立ち向かっていると述べた。
サウジ主導の連合軍は2014年以来、イエメンの大部分を実行支配するフーシ派と戦ってきた。
イエメン内戦は世界最悪の人道的危機を引き起こし、子供を含む市民1,000万~2,000万人が深刻な栄養不足に苦しめられている。レバノンを支配するイスラム過激派組織ヒズボラは、フーシ派に多くの兵器と戦闘員を提供してきた。
ミカティ首相は29日、サウジアラビアに深く謝罪し、関係の修復に取り組むと述べた。現地メディアによると、ミカティ首相はミシェル・アウン大統領と協議し、コルダヒ情報相に「適切な決定」を下すよう求めたという。
ミカティ首相は声明の中で、「サウジアラビアとの深い兄弟関係を害するものは断固として拒否する」と述べ、深く謝罪した。
またミカティ首相は、コルダヒ情報相の発言はレバノン政府の見解とは異なると述べ、インタビューは情報相就任前に収録されたものと強調した。ミカティ首相は9月に新内閣を発足した。
コルダヒ情報相は今週の記者会見でインタビューについて質問を受け、「発言を訂正するつもりはない」と述べていた。「国、大使、個人を問わず、恐喝を受け入れるべきではありません。私は発言を訂正せず、辞任するつもりもありません...」
サウジの怒りはイランの核開発を後押しするヒズボラの影響力が高まっていることを示している。
2019年に発生したレバノンの経済危機は、過去150年の中で世界最悪のひとつと見なされている。危機発生からわずか数カ月で貧困率は人口の50%を超え、通貨価値は暴落し、進行中のハイパーインフレは国民の預金を紙屑に変え、失業率を前例のないレベルに押し上げた。