◎映画「Rust(原題)」の撮影監督を務めていたハリーナ・ハッチンズ氏(42歳)は21日、主演のアレック・ボールドウィン氏が撮影中に使用した銃の実弾を胸に受け死亡した。
2021年10月21日/ニューメキシコ州サンタフェのサンタフェ郡保安官事務所近く、アレック・ボールドウィン氏(Jim Weber/Santa Fe New Mexican/AP通信)

米主要メディアによると、俳優のアレック・ボールドウィン氏は映画撮影用の銃に実弾が装填されていることを知らず、助監督から引き金を引いても大丈夫だと言われていたという。

映画「Rust(原題)」の撮影監督を務めていたハリーナ・ハッチンズ氏(42歳)は21日、主演のボールドウィン氏が撮影中に使用した銃の実弾を胸に受け死亡した。

主要メディアによると、ハッチンズ氏の後ろにいたジョエル・ソウザ監督も肩を負傷し緊急治療を受けたが、退院したという。

映画は10月6日にニューメキシコ州サンタフェのセットでクランクインした。

サンタフェ郡保安官事務所が22日に捜査令状を取り、セットの捜査と関係者の事情聴取を行った。報道によると、警察はボールドウィン氏が使用した衣装、実弾を発射した撮影用の銃、その他の小道具、当時の様子を記録した映像を押収したという。

また報道によると、凶器の銃は、映画の小道具を担当するハンナ・グティエレス氏が準備した3つの銃の中の1つだったという。警察は裁判所に提出した書面の中で、「助監督のデイブ・ホールズ氏は小道具のカートから銃を1つ手に取り、実弾が装填されていることを知らずにボールドウィン氏に手渡した」と述べた。

実弾の発射数は明らかにされていない。

ボールドウィン氏は22日、「サンタフェ郡保安官事務所の捜査に全面的に協力している」とツイートした。報道によると、現時点で起訴されて関係者はいないという。

ボールドウィン氏は声明の中で、「私の心は壊れている」と述べた。

ハッチンズ氏はウクライナ出身の42歳で、カリフォルニア州ロサンゼルスに移り住み映画制作の道に進んだ。昨年公開された映画「Archenemy(原題)」でも撮影監督を務めている。

映画の脚本監督を務めるマミー・ミッチェル氏はAP通信の取材に対し、「事故当時、私はハッチンズの隣に立っていた」と語った。「私は911に通報し、皆と一緒に彼女の手当てをしました...」

ミッチェル氏によると、映画の関係者は22日午後にサンタフェでハッチンズ氏を追悼する会を開いたという。

一方、サンタフェ郡保安官事務所のフアン・リオス氏は、22日午後の時点で起訴された者はおらず、ボールドウィン氏は移動を許可されていると述べた。

ボールドウィン氏は1990年に公開された「レッド・オクトーバーを追え!」や「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」など、数十本の映画とテレビドラマに出演し、「サタデーナイトライブ」のドナルド・トランプ大統領のモノマネは全米で絶賛された。

ハリウッドのセットで今回のような死亡事故が発生したのは1993年以来と伝えられている。ハリウッドの撮影で本物の銃器を使用することは珍しくないが、実弾は使用せず、空砲や発砲音だけを出す特殊な弾を使用する。

香港のスーパースター、ブルース・リーの息子であるブランドン・リー氏は1993年、映画「クロウ/飛翔伝説(原題:The Crow)」の撮影中に小道具の銃で撃たれ、死亡した。この時、銃には空砲が装填されていたが、内部に残っていたダミーの弾丸の先端が発射され、ブランドン氏の腹部を直撃した。

2015年9月21日/ニューヨークの国連本部ビル、俳優のアレック・ボールドウィン氏(Getty Images/AFP通信/PAメディア)
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