◎反LBGT決議を採択した地域はLGBTQ+の抗議デモや活動を禁じている。
9月22日、ポーランド南部のシフェントクシスキェ県が反LGBT決議を取り消し、物議を醸す「LBGTフリーゾーン」から離脱した。
シフェントクシスキェ県の地方議会は2019年に可決された反LGBT決議を取り消す法案に投票し、議員の大多数が賛成に票を投じた。議会は投票後の声明で、「地方自治体に反LGBTイデオロギーを導入する試みと公的生活におけるこのイデオロギーの促進に反対する」と述べた。
超保守的なカトリック組織が主導する地域は、反LGBT決議を採択することでLBGTフリーゾーンと呼ばれる地域を構築した。2020年6月の時点で約100の市町村が決議を採択したと伝えられている。
反LBGT決議を採択した地域はLGBTQ+の抗議デモや活動を禁じているが、法的拘束力はない。しかし、地域内の保守的な住民はLGBTQ+に対する差別を加速させた。
シフェントクシスキェ県は法案可決後、声明を発表した。「私たちはLGBTの権利を擁護するイデオロギーの促進と、リベラルな活動に対する差別的な行為に反対すると宣言します。反LGBT決議はポーランドの文化遺産や何世紀にもわたるキリスト教の伝統と明らかに矛盾しています」
地元メディアによると、反LGBT決議を撤回した地方自治体はシフェントクシスキェ県が初めてだという。
EUはポーランド政府に差別を助長する反LGBT決議の取り消しを求めており、数百万ユーロの資金提供を保留している。
保守的なアンジェイ・ドゥダ大統領と与党「法と正義(PiS)」は、男性と女性で構築される伝統的な家族を保護する反LGBT決議を強く支持している。
反LGBT決議はゲイの権利運動に対する反発の一部であり、保守的な地域で称賛されたが、EUは強く反発した。ポーランドで活動する権利活動家は、「LGBTフリーゾーンを宣言した地域は、ゲイやレズビアンは歓迎しないという空気に満たされている」と述べた。
権利活動家たちはEUに対し、LGBTQ+の人々を差別から守るために強い措置を取るよう要求してきた。
ポーランドの活動家バート・スタツェワスキ氏はシフェントクシスキェ県の離脱を歓迎した。「今日、初めて差別的な反LGBT決議が撤回されました。本当に感動しています...」
ポーランドのリベラルな新聞はシフェントクシスキェ県の法案可決を好意的に紹介し、「差別との戦いは始まったばかり」と報じた。
EU議会は今年初めにポーランドの反LGBT決議を差別的と非難し、EU全体を「LGBTQ+の人々の権利を擁護するフリーゾーン」と宣言する決議を可決した。
地元メディアによると、シフェントクシスキェ県のある議員は、「ポーランドの憲法は両親の信念と見解に基づいて子供を育てる権利を保障するだけでなく、全国民の平等・公正・公平も保障しなければならない」と述べたという。