◎パキスタンのモイード・ユスフ国家安全保障顧問は現地メディアのインタビューの中で、「アメリカはアフガニスタン政府とタリバンを交渉のテーブルに座らせる必要がある」と語った。
2021年8月9日/アフガニスタン、首都カブールの公園、食事をとる国内避難民たち(Rahmat Gul/AP通信)

パキスタンの国家安全保障顧問は9日、隣国アフガニスタンで継続中の戦争が長引くことは「悪夢のシナリオ」であり、タリバンの侵攻が激化していることに懸念を表明した。

モイード・ユスフ顧問は現地メディアのインタビューの中で、「アメリカはアフガニスタン政府とタリバンを交渉のテーブルに座らせる必要がある」と語った。

米軍とNATO軍は9月11日までにアフガンから完全撤退する予定。

ユスフ顧問は、「パキスタン政府はタリバンに交渉を再開するよう求めているが、タリバンの侵攻が加速すればするほど、パキスタンの影響力は弱まっていく」と警告した。

また、先月占領されたアフガニスタンとパキスタンの国境検問所を再開するようタリバンに求めたが、拒否されたという。

パキスタン政府は先週末、アフガニスタンからパキスタンに入国するアフガン国民にパスポートとビザを提示するよう要求し、その後、タリバンは南東部の国境を閉鎖した。

タリバンは声明で、「パキスタンはアシュラフ・ガニー大統領を喜ばせるために新しい規則を発効した」と非難し、以前の緩い国境管理に戻すよう要求した。

タリバンが国境を閉鎖した結果、両国の市民数千人が検問所で立ち往生し、食品を積んだ数百台のトラックが激しい渋滞に巻き込まれた。

ユスフ顧問は「交渉以外にアフガン戦争を終結させる方法はない」と述べた。「政治的な解決の失敗は戦争の長期化を意味します。私たちが考える最悪のシナリオは戦争の長期化です...」

ユスフ顧問によると、パキスタンはすでに約200万人のアフガニスタン難民を受け入れており、新たな難民を受け入れる余力はないという。顧問は「戦争が長引ければ、国外避難民も増える」と警告した。

タリバンは交渉を仲介するカタール当局の介入に反対しており、交渉再開のめどは立っていない。現地メディアによると、タリバンは過去7日間で少なくとも5つの州都を占領したという。

ユスフ顧問は、アフガニスタン政府が国連安全保障理事会に「パキスタンから推定1万人の戦闘員がアフガニスタンに入国した」と主張したことに憤慨し、証拠を提供するよう要請した。

そして、アフガニスタンの国防を担うはずの治安部隊がタリバンの侵攻に屈し、地区を放棄して逃げ出したことを非難した。一部の兵士はタリバンの侵攻から逃れるために、隣国タジキスタン、イラン、そしてパキスタンに逃亡している。

「NATOはアフガン兵を強化するために1兆ドル(約110兆円)以上を投入しましたが、戦況は芳しくありません。兵士たちは何をしているのですか?

2021年8月9日/アフガニスタン、北部クンドゥズ州の州都クンドゥズ(アブドラ・サヒル/AP通信)

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