◎最初にデルタ株が検出されたのは南京市の玄関口である南京空港で、7月20日以来、約200人の陽性が確認されたと伝えられている。陽性者がコロナワクチンを接種していたかどうかは不明。
2021年7月28日/中国、江蘇省南京に設置されたコロナ検査所(新華社通信/AP通信)

中国の国営メディアによると、江蘇省南京市で最初に確認されたデルタ株は少なくとも5つの州と首都北京に広がったという。

最初にデルタ株が検出されたのは南京市の玄関口である南京空港で、7月20日以来、約200人の陽性が確認されたと伝えられている。陽性者がコロナワクチンを接種していたかどうかは不明。

共産党は南京空港の運行を8月11日まで停止したうえで、市の全住民に検査を受けるよう命じた。国営の新華社通信によると、南京市の住民約930万人(訪問客含む)は速やかに検査を受ける必要があるという。

南京市の当局者は記者団に対し、「感染力の強いデルタ株が急速に広がっており、混雑した空港が感染拡大に拍車をかけた」と述べた。南京空港の年間利用客は約3,000万人。

また当局者は、「最初の陽性者は空港関係者で、7月10日に市内に到着したロシア発の便のゴミを不適切に扱った」と述べたが、それ以上の情報は明らかにしなかった。新華社通信によると、空港関係者は厳格な衛生対策に従わなかったという。

共産党の規律検査中央委員会および国家監督委員会は声明で、「南京空港は関係者の管理監督を怠った」と述べ、非難した。

広範な都市封鎖と検査の結果、デルタ株は首都北京を含む少なくとも15の都市に広がっていることが判明した。南京市の当局者によると、感染者のうち7人は重篤な状態だという。

症例の急増を受け、中国版ツイッターのWeibo(ウェイボー)には、「中国のコロナワクチンがデルタ株に機能するかどうかを知りたい」などといった投稿が相次いだ。中国のシノファームワクチンとシノバックワクチンは世界保健機関(WHO)の承認を得ている。

しかし、中国のワクチンに依存している東南アジアの多くの国々は、他のワクチンに乗り換える動きを加速させている。

共産党批評家は中国のコロナワクチンに疑問を呈しているが、一部の医療専門家は「デルタ株は中国産を含むコロナワクチンの防御を突き抜ける可能性がある」と警告し、ワクチン接種完了後もマスクをつけるよう促している。

コロナウイルスは湖北省武漢市で最初に検出され、世界に広がった。共産党は2020年3月にコロナを制御したと宣言し、制限をほとんど解除した。しかし、最近の感染拡大に伴い、一部地域は制限を復活させ、その都度集団検査を実施している。新華社通信によると、各地域の最初の陽性者の大半が海外から帰国した人だったという。

中国の累計感染者数は7月30日時点で92,811件、累計死亡者は4,636人。

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