◎リトアニアの内相は2日遅くの声明で、国境警備を強化し、不法入国を試みるベラルーシ人を厳しく取り締まると述べた。
リトアニア政府は2日、隣国ベラルーシからの不法移民大量流入を受け、非常事態を宣言した。
ベラルーシとEUの関係は5月23日に発生した英ライアンエアーの旅客機強制着陸事件で急速に悪化した。リトアニアは昨年8月のベラルーシ大統領選に出馬した野党党首のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏の亡命を快諾しており、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の目の敵にされていた。
リトアニアの内相は2日遅くの声明で、国境警備を強化し、不法入国を試みるベラルーシ人を厳しく取り締まると述べた。
バルチック・ニュース・サービス(BNS)によると、内相は2日夕方に開催された閣僚級会議の中で、「迅速な対応と決定を下すために非常事態を宣言する」と述べたという。
ルカシェンコ大統領は以前、文書化されていない移民希望者の管理を緩めることで、最新のEU制裁に報復すると示唆していた。EUは旅客機強制着陸事件で逮捕された反対派ジャーナリストの速やかな解放を要求したうえで、ベラルーシの国営航空会社のブロック内への立ち入りを禁じ、閣僚や関係者に制裁を科した。
イングリダ・シモニテ首相は、2日にベラルーシから入国を試みた不法移民が150人に達したという報告を受け、非常事態を宣言した。
当局者によると、国境で拘束された1日あたりの移民の数は、以前の約3倍に増加したという。リトアニアの国境警備隊が公開したセキュリティーカメラの映像には、ベラルーシとリトアニアを隔てるフェンスを飛び越える不法移民の姿が記録されていた。
またBNSによると、不法移民の大半はリトアニアへの亡命を求めており、アフガニスタン、カメルーン、イラク、シリアの市民が含まれているという。政府は首都ビリニュスの北東約40kmに位置するパブラデに新しい難民キャンプを設置した。
マンタス・アドメナス外務副大臣は地元メディアのインタビューの中で、「主な問題は正規の手続きを踏まずに入国を試みる移民の身元を特定すること」と述べた。「私たちは彼らの身元を特定し、母国に戻れるかどうかを検討しています」
BNSは、「難民キャンプに拘留されたベラルーシ移民の数は820人を超えた」と報じた。
2日にリトアニアを訪問した欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長はギタナス・ナウセダ大統領との共同記者会見で、移民の流入問題を支援すると約束した。「リトアニアの問題はEUの問題です...」