◎ベラルーシの旅客機強制着陸事件で逮捕された反対派のジャーナリスト、ラマン・プロタセビッチ氏(26歳)とガールフレンドのソフィア・サペガ氏(23歳)は刑務所から自宅に移された。
現地メディアによると、ベラルーシの旅客機強制着陸事件で逮捕された反対派のジャーナリスト、ラマン・プロタセビッチ氏(26歳)とガールフレンドのソフィア・サペガ氏(23歳)は刑務所から自宅に移されたという。
プロタセビッチ氏は5月23日に発生した事件でベラルーシ国家保安委員会(KGB)に拘束され、扇動罪および犯罪集団を組織した罪で拘留されていた。
プロタセビッチ氏の父、ドミトリー氏によると、二人は自宅に移されたが起訴は取り下げられていないという。現地メディアは「二人は自宅軟禁下に置かれた」と報じた。
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、ギリシャ発リトアニア行きの英ライアンエアーFR4978便に爆弾が仕掛けられているとウソをつき、首都ミンスクの空港に強制着陸させたうえで、搭乗していた二人を逮捕した。
ルカシェンコ大統領はイスラム過激派組織ハマスが便に爆弾を仕掛けたと主張したが、爆弾は発見されず、ハマス当局も一切の関与を否定した。
西側諸国はルカシェンコ大統領の主張を却下し、「反対派のジャーナリストを逮捕する目的で民間旅客機をハイジャックした」と非難した。現在、ベラルーシの国営航空会社はEUの厳しい制裁下に置かれている。
プロタセビッチ氏は大規模な抗議活動を扇動した罪などに問われており、最長15年の禁固刑を科される可能性がある。
ベラルーシの調査委員会によると、「二人は罪を認め、深く反省し謝罪したため、自宅に戻りたいという要求を認めた」という。ベラルーシ当局は先日、二人の自白動画を公開したが、反体制派と多くの専門家は「KGBによる自白強要事件」と非難した。
英BBCニュースによると、二人は別々のアパートに移されたという。BBCの取材に応じたサペガ氏の両親は、「ミンスクのレストランで娘と再開した」と述べた。「娘が刑務所から移されたことを嬉しく思います。刑務所とアパートでは環境が全く異なりますから...」
ポーランドに住んでいるプロタセビッチ氏の両親はBBCに、ベラルーシ当局から連絡を受けておらず、帰国する予定もないと述べた。「当局は息子が置かれている状況を教えてくれません。息子の生活環境が改善されたことは歓迎します。しかし、当局は何をするか分かりません...」
EUは先日、ライアンエアーの強制的かつ違法な着陸に関与したとされる当局者78人に制裁を科し、さらに、ベラルーシのタバコ、石油、カリ肥料を含む主要な輸出品に圧力をかけた。
一部の専門家は、「ベラルーシはEUのさらなる制裁を恐れている」と指摘した。「ベラルーシは二人が罪を認めたので自宅に移したと主張していますが、EUのさらなる制裁を恐れ、釈放せざるを得なくなったのでしょう。ルカシェンコは強がっていますが、EUの制裁を恐れています」
リトアニアに亡命した野党党首のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏はこの変化を歓迎したが、二人は依然として人質であると述べた。
ツィハノウスカヤ氏は24日の声明で、「500人以上の政治家がまだ刑務所に収容されており、さらに数千人がベラルーシ当局の恣意的な逮捕と起訴で投獄される可能性がある」と警告した。
現地メディアによると、昨年8月のベラルーシ大統領選に立候補する予定だったツィハノウスカヤ氏の夫であるセルゲイ氏は、24日に憎悪を扇動した罪で秘密裁判にかけられたという。