◎軍事評議会は6月10日の声明で、「スーチー氏は現金60万ドルと金の延べ棒7本を受け取った」と述べた。
2019年12月11日/オランダ、ハーグの国際司法裁判所、ミャンマーのアウンサンスーチー氏(ロイター通信)

現地メディアによると、ミャンマー軍の支配下に置かれている汚職防止委員会はアウンサンスーチー氏を汚職罪で訴追したという。

軍事評議会は6月10日の声明で、「スーチー氏は現金60万ドルと金の延べ棒7本を受け取った」と述べた。

スーチー氏は今回の汚職罪を含む7つの容疑で起訴されることになったが、国民民主連盟(NLD)は軍事政権の告発を全て却下している。

スーチー氏とNLDの閣僚は2月1日の軍事クーデターで打倒された。スーチー氏はクーデター以来、ほとんど公の場に姿を見せていない。

軍事評議会は声明の中で、「スーチー氏だけでなくNLDも土地取引で多額の資産を失った」と主張し、閣僚も訴追される可能性があると示唆した。ウィンミン前大統領を含む前政権の一部の高官は、すでに汚職罪で起訴されている。

軍事評議会は、「告発の中で最も深刻なものは、公務秘密法違反だ」と主張した。これに違反した者は最長14年の実刑判決を受ける可能性がある。

軍のミン・アウン・フライン司令官は軍事クーデター後の声明で、「NLDは昨年の総選挙で不正を働いた」と主張した。しかし、選挙を監督した独立委員会によると、選挙はおおむね自由かつ公正に実施されており、軍の告発は軍事クーデターを正当化したいただの言いがかりと非難されている。

スーチー氏は総選挙で軍の支援を受ける野党を圧倒したが、実刑判決を受ければ次の選挙に立候補することは事実上不可能になると考えられている。

スーチー氏の弁護団のひとり、キン・マウン・ザウ弁護士は汚職罪を「馬鹿げている」と却下したうえで、「スーチー氏は長期刑を言い渡される可能性がある」と述べた。「軍事政権は彼女を政界から遠ざけようとしています...」

軍事クーデターは広範な抗議活動と国際社会の怒りを引き起こした。ミャンマーで活動している政治犯支援協会(AAPP)によると、治安部隊に殺害された抗議者は800人を超え、推定5,000人が拘留されたという。

<アウンサンスーチー氏の容疑>
・汚職罪:最長15年の実刑
・公務秘密法違反:最長14年の実刑
・輸入法違反(トランシーバーの輸入):最長3年の実刑
・電気通信法違反(トランシーバーの輸入):最長1年の実刑
・自然災害法違反(2件):それぞれ最長3年の実刑
・扇動罪:最長3年の実刑

2021年2月20日/ミャンマー、最大都市ヤンゴンの抗議者たち(AP通信)

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