◎アジア自由選挙ネットワーク(ANFREL)は5月17日に公開した報告書の中で、「2020年の総選挙における投票および集計を調査した結果、不正は確認されず、選挙結果は国民の意思を反映していた」と述べた。
現地メディアによると、ミャンマーの2020年総選挙をチェックしていた独立機関は、ミャンマー軍の主張を却下したという。
アジア自由選挙ネットワーク(ANFREL)は5月17日に公開した報告書の中で、「2020年の総選挙における投票および集計を調査した結果、不正は確認されず、選挙結果は国民の意思を反映していた」と述べた。
ミャンマー軍のミン・アウン・フライン司令官は、「国民民主連盟(NLD)は総選挙で大規模な不正を働いた」と主張し、2月1日の軍事クーデターを正当化したが、不正を裏付ける証拠は公開されていない。
アウンサンスーチー氏とウィン・ミン大統領率いるNLDは、昨年の総選挙で軍の支援を受ける野党を圧倒した。しかし、軍は選挙結果を認めずスーチー氏とNLDの議員らを拘束し、軍事政権を樹立したうえで、2年以内に総選挙を行うと宣言した。
スーチー氏は2月1日以来、公の場に姿を見せていない。
ANFRELは報告書の中で、民主的な選挙結果を無視する軍の蛮行はいかなる理由があろうと容認できないと述べた。
ミャンマー軍はANFRELの報告書に関する声明をまだ発表していない。ミャンマー問題に詳しい専門家は、「ミン・アウン・フライン司令官は総選挙を行うと約束したが、違法な軍事政権は選挙結果を好きなように改ざんできるため、国民は納得しない」と述べた。
ANFRELは昨年11月の投票期間中、国内に設置された投票所(400カ所以上)にオブザーバーを派遣し、投票や選挙管理委員会の対応などを監視していた。報告書によると、ANFRELは多くの不規則性があったことを認めたが、それらはコロナウイルスの感染拡大を考慮した結果発生したものであり、他の民主的な選挙を行った国家と同じレベルで、不正の証拠は確認できなかったと述べた。
ANFRELは、「コロナウイルスの大流行にもかかわらず、選挙管理当局および保健当局は選挙を公正かつ公平に運営し、2,750万人もの有権者が投票した」と述べた。「2015年の総選挙に比べると、投票に不規則性があったことは確かです。有権者は感染予防対策の影響で従来のように自由に投票することはできませんでした。しかし、選挙結果は国民の意思を尊重しており、ミャンマーの民主主義が進歩していることを示しています」
「ANFRELはミャンマー軍の主張を却下します」
一方、米財務省の外国資産管理局は17日、ミャンマー軍の関係者16人と新しく設立された国家行政評議会に経済制裁を科した。これにより、アメリカの管轄区域内にある制裁対象者(組織)の資産は凍結され、管轄区域内で活動している人、企業、組織は制裁対象者との金融取引を禁じられた。
財務省は声明の中で、「ミャンマー軍は文民を攻撃し、文民政府を転覆させ、違法な組織を創設した」と述べた。「アメリカはこれらの違法な者および組織を容認せず、取引も許可しません」