◎報告によると、今回指定されたB.1.617は他の変異種より感染力が高いことが示されており、さらなる調査と研究が必要だという。
5月11日、世界保健機関(WHO)は昨年インドで初めて確認されたコロナウイルスの変異種を「懸念すべき変異種」に指定した。
報告によると、今回指定されたB.1.617は他の変異種より感染力が高いことが示されており、さらなる調査と研究が必要だという。
WHOはイギリス、南アフリカ、ブラジルで確認された変異種も「懸念すべき変異種」に指定している。
インドのB.1.617変異種は30カ国以上に広がっており、新たな感染再拡大を引き起こす可能性があると懸念されている。
WHOを含む世界の研究機関は、インドの致命的な感染爆発とB.1.617変異種の関連を調査している。保健当局のまとめによると、同国の5月10日の新規陽性者数は366,161件、死亡者は3,754人、累計感染者数は2,270万件、累計死亡者は24.5万人を超えた。専門家は連邦政府および州政府が公表している感染者と死亡者は過少報告されている可能性が極めて高いと指摘している。
現地メディアによると、病院の医療用酸素不足はほとんど解消されておらず、感染の波は首都ニューデリーから周辺地域に広がりつつあるという。
アーンドラ・プラデーシュ州の地元メディアは、ティルパティ市の病院への酸素供給が遅れたため、一晩でコロナ患者11人が窒息死したと報じた。
インド政府は、「B.1.617変異種と第二波の関連性は否定できないが、確固たる証拠もない」と主張している。
<インドの新規陽性者と死亡者>
2月1日:8,635件/94人
2月8日:9,110件/78人
2月15日:9,121件/81人
2月22日:10,584件/78人
3月1日:12,286件/91人
3月8日:15,388件/77人
3月15日:24,492件/131人
3月22日:40,715件/199人
3月29日:56,211件/271人
4月1日:81,466件/469人
4月8日:131,968件/780人
4月15日:217,353件/1,185人
4月18日:273,802件/1,619人
4月20日:295,158件/2,023人
4月21日:314,644件/2,104人
4月22日:332,921件/2,263人
4月23日:346,786件/2,624人
4月24日:349,691件/2,767人
4月25日:352,991件/2,812人
4月26日:323,023件/2,771人
4月27日:362,757件/3,293人
4月28日:379,257件/3,645人
4月29日:386,555件/3,498人
4月30日:401,993件/3,523人
5月1日:392,488件/3,689人
5月2日:368,060件/3,417人
5月3日:357,229件/3,449人
5月4日:382,146件/3,780人
5月5日:412,262件/3,980人
5月6日:414,188件/3,915人
5月7日:401,078件/4,187人
5月8日:403,405件/4,077人
5月9日:366,494件/3,769人
5月10日:366,161件/3,754人
いくつかの州では部分的な封鎖や夜間外出禁止令などの制限を課したうえで、市民に不要不急の外出を控えるよう要請している。
ナレンドラ・モディ首相は政府のコロナアドバイザー、野党、そして医療当局者などから全国規模の封鎖を課すよう圧力をかけられている。
与党人民党は2月、モディ首相を称賛する決議案を可決し、「インドはコロナウイルスとの戦いに勝利した」と宣言した。
3月、保健相は声明で、「パンデミックはまもなく終息します」と述べ、有権者を沸かせた。
しかし、モディ首相は症例の増加が始まった3月中頃にヒンドゥー教の聖なる祭りクンブメーラや州議会選挙などの開催を容認してしまい、新規症例と死亡者数は3月末頃から爆発的な勢いで増加し、4月に爆発した。モディ首相は現在、非難の嵐に直面している。
ニューデリーの保健相は10日、首都のアストラゼネカワクチンの在庫はまもなく切れると述べた。ワクチン不足は感染拡大と混乱に拍車をかけており、ワクチン接種所には連日長蛇の列ができている。政府は5月1日から接種対象者は18歳以上に拡大したが、45歳以上の市民、推定2億人がまだワクチンを1回も接種しておらず、専門家は「45歳以上の市民への接種を先に終えるべきだった」と政府の対応を非難した。
WHOは10日の記者会見で、流通しているワクチンはB.1.617変異種にも機能すると主張したが、WHOの専門家は以前、「ワクチンの効果を低下させる可能性がある」と警告していた。