◎スコットランド国民党(SNP)の二コラ・スタージョン首相は、スコットランドの独立の是非を問う2回目の住民投票の実施時期を検討していると述べた。
5月9日、スコットランド国民党(SNP)の二コラ・スタージョン首相は、スコットランドの独立の是非を問う2回目の住民投票の実施時期を検討していると述べた。
SNPは5月6日に行われた議会選挙で129議席中64議席を獲得した。単独過半数にはあと1議席足りなかったが、連立を組む緑の党が8議席確保したため、スタージョン首相は保守党を見事に打ち破った。
一方、イギリスのボリス・ジョンソン首相は選挙結果確定後の声明で、「権限委譲国の指導者を交渉に招待する」と述べた。「イギリス連邦は協力関係を維持しなければなりません。イギリス国民は連邦の力を必要としています。スコットランド、ウェールズ、北アイルランド政府は、連邦をコロナウイルスによる経済危機から立ち直らせるために力を合わせなければなりません」
英BBCニュースによると、スタージョン首相はジョンソン首相に電話で、「住民投票は避けられないだろう」と伝えたという。
スタージョン首相の事務所は9日の声明で、「スコットランドの市民は、コロナ危機が終わった後に自分たちの未来を選択するというスコットランド国民党の公約を支持しました」と述べた。「問題はいつ投票を行うかです。行うか行わないかではありません」
スタージョン首相は以前の声明で、2022年初頭の住民投票に向けた法案を提出する可能性を除外しないと述べていた。
一方、保守党はコロナウイルス対策のさらなる強化を最優先事項とし、国民は2014年の独立住民投票でイギリス連邦を支持したと反論していた。
<2014年のスコットランド独立住民投票>
賛成44.7%:反対55.3%
スタージョン首相は、「選挙結果はスコットランドの民意を反映している」と強調した。「今回の選挙結果は2回目の独立投票を支持するという国民の強い意思が反映されています。しかし、ロンドンの政治家は、民主的な選挙で答えを示したスコットランド国民の願いを邪魔したいようです」
住民投票の実施を決める最終権限はジョンソン首相が持っている。
ジョンソン首相はデイリー・テレグラフ紙の記事の中で、「イギリスはコロナウイルスとの戦いの真っただ中にあり、今住民投票を行うのは無責任極まりない」とスタージョン首相を非難した。「住民投票は無謀です...ええ、無謀...」
ジョンソン首相は、この問題は2014年の住民投票で決着しており、有権者の約55%がイギリス連邦を支持したと繰り返し主張してきた。しかし、SNP、緑の党、保守党以外の関係者、そして一部の有権者は、イギリスのEU離脱で状況は根本的に変化したと反論している。
ジョンソン首相に反論するグループは、スコットランドはEU離脱を支持していなかったとイギリス議会を非難している。
<2016年のブレグジット国民投票>
イギリス 残留46.62%:離脱53.38%
スコット 残留62.00%:離脱38.00%
北アイル 残留55.78%:離脱53.38%
ウェール 残留47.47%:離脱52.53%
結果 残留48.11%:離脱51.89%
ジョンソン首相は2回目のスコットランド住民投票に同意するかどうかを明言していなかったが、英内閣府のマイケル・ゴーブ大臣は9日、「住民投票は考えていない」と述べ、連邦の優先事項はコロナウイルスから回復することと強調した。「SNPは2011年の選挙で69議席を獲得しましたが、今回は単独過半数を達成できませんでした。国民の考えは2014年から何も変わっていません」
スコットランドの議会選挙はイギリス全土で行われた地方選挙の争点になっていた。ウェールズでは野党労働党が大躍進した。
ロンドンの市長選では労働党の現職、サディク・カーン市長があっさり再選を決めている。