コロナウイルス：フランスは3度目の全国封鎖に入る

◎保健当局によると、集中治療室（ICU）の重症患者は4月2日だけで145人増加したという。

4月3日、コロナウイルスの感染拡大と入院患者の急増に直面するフランスは3度目の全国封鎖に移行した。これにより、全ての学校と必須でない店舗は少なくとも4週間閉鎖される。夜間外出禁止令（19:00～06:00）も同時施行。

保健当局によると、集中治療室（ICU）の重症患者は4月2日だけで145人増加したという。当局者は過去5か月間で最大の急増と述べ、ICUにかかる負荷は増加し続けていると警告した。

エマニュエル・マクロン大統領は3月31日のテレビ演説でより多くの病床を確保すると約束したが、最前線の医療従事者たちは疲弊し、「病床を確保しても人員が足りない」と頭を抱えている。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、フランスの累計感染者数は4月3日時点で474万件、累計死亡者は96,493人、2日の新規陽性者数は46,677件、死亡者は332人、ICUの患者数は5,000人を超えた。

マクロン大統領は全国封鎖ではなく、各自治体の制限でコロナを抑え込みたいと考えていた。しかし、ワクチン接種の遅れや変異種の感染拡大などの影響で感染者は急増し、3度目の全国封鎖に踏み切らざるを得なかった。

世界保健機関（WHO）は先週の声明で、ヨーロッパのワクチン展開スピードは「容認できないほど遅い」と述べ、一部の国の感染状況は昨年のピークを上回っていると警告した。

WHOのヨーロッパ地域ディレクター、ハンス・クルーゲ博士は声明で、「ワクチン接種はパンデミックから抜け出す最善の感染対策」と主張した。

フランス北部、アミアンピカルディ病院の医療従事者、ロメイン・ビール氏はAP通信の取材に対し、「私たちは第三波の勢いを非常に強く感じています」と述べた。「先日、ICUに入院した母親とその子供はほぼ同時に亡くなりました」

病院の医師たちは昨年末にイギリスで猛威を振るった変異種の感染急拡大に困惑している。地元メディアによると、この変異種の登場以来、10～30歳代の患者が急増し、一部の重症患者はICUで人工呼吸器を装着しているという。

フランスの科学の専門家と政府のウイルス諮問機関は、少なくとも4月末まで感染が落ち着くことはないと予測し、継続中の予防対策を超える厳しい完全封鎖を求めていた。ある専門家は、レストラン、バー、企業も全て封鎖すべきと主張している。

他のヨーロッパ諸国も新たな制限を開始している。

ドイツは先月、イースター休暇中（4月1日～5日）の封鎖を発表したが、数日で決定を覆している。アンゲラ・メルケル首相はイースター休暇中の封鎖を間違いと呼び、謝罪した。

イタリアはイースター休暇中の感染拡大を抑える限定ロックダウン（4月3日～5日）を開始した。

【欧州の感染状況／2021年4月4日時点】