◎アンゲラ・メルケル首相は記者団に対し、「16の州首相とオンラインで会談し、少しずつ緩和してきた規則を元のレベルに戻すことに合意しました」と述べた。
3月22日、ドイツ政府と州政府はコロナ規則の緩和を見直し、4月中旬まで封鎖期間を延長することに合意した。
アンゲラ・メルケル首相は記者団に対し、「16の州首相とオンラインで会談し、少しずつ緩和してきた規則を元のレベルに戻すことに合意しました」と述べた。
ドイツの感染状況は変異種の感染拡大などの影響で確実に悪化している。政府は完全封鎖の期間を3月28日から4月18日に延期したうえで、あらためて感染予防対策を徹底するよう国民に呼びかけた。
ドイツ議会は先日の会議で、10万人あたりの新規陽性者数が100件を超えた州および地域は、規則の見直しを検討すると発表していた。
メルケル首相は記者会見の中で、「残念ながら、緊急ブレーキ(完全封鎖に移行)を使用することになりました」と述べた。
保健当局によると、3月22日の全国の10万人あたりの新規陽性者数は107件まで上昇したという。3週間前は60件台だった。
メルケル首相と州首相はイースター休暇前の4月1日から4月3日の間、規則を大幅に強化し、必要不可欠な店舗(食料品店、薬局、ガソリンスタンドなど)以外全て終日閉鎖することに合意した。また、屋外での集まりは4月1日から4月5日の間、規模や場所を問わず禁止される。
政府は航空機の利用規則も見直している。当局者によると、ドイツ行きの飛行機に搭乗する全ての利用者は空港でコロナ検査を受け、陰性を証明しなければならないという。開始時期は不明。
一方、感染を抑える水際対策は様々な混乱を引き起こしている。ドイツで最も人口の多いノルトラインヴェストファーレン州の裁判所は昨日、市民に(訪れたい)店舗の予約を義務付ける規則を却下した。
州政府はメルケル首相との会談後、緩和していた規則を元のレベルに戻し、一部の事業に対する規則を強化している。
当局者によると、政府と州政府は国内の学校の生徒、教師、関係者にコロナ検査を無料提供し、対面授業の完全再開を目指しているという。
メルケル首相は、昨年春のパンデミックで他の欧州諸国より死亡者を低く抑えることに成功したドイツは、「大きな挫折に直面している」と述べた。「私たちは国の医療システムの崩壊を望んでいません。変異種と従来型を抑え込むためには規則を強化し、基本的な感染予防対策を徹底しなければなりません」
ドイツのコロナワクチン展開は予定よりかなり遅れており、3月21日時点で人口の約9%が1回目の接種を終え、2回目の接種を終えた人は約4%にとどまっている。