◎イギリスの1月の対EU輸出額は56億ポンド(約8,500億円)、輸入額は66億ポンド(約1兆円)減少した。
英国国家統計局(ONS)によると、イギリスの1月の対EU輸出額は前月から40.7%減少し、輸入も28.8%減少したという。
この数字は統計を取り始めた1997年以来最大の落ち込みで、EUーUK通称協定は厳しい現実を突き付けられた。
ONSは報告の中で、「一時的な要因が減少につながった可能性が高い」と述べた。
またBBCニュースによると、イギリスの1月の経済成長率は前月比マイナス2.9%を記録したという。
イギリスの1月の対EU輸出額は56億ポンド(約8,500億円)、輸入額は66億ポンド(約1兆円)減少した。ONSによると、EUから輸入される製品で特に落ち込みが目立ったものは、機械、輸送機器(主に車)、医薬品などに使用する化学物質だったという。
監査法人のKPMGは、「ブレグジットの影響で対EU輸出入額は大幅な落ち込みを記録しましたが、EU加盟国以外との貿易は増加しています」と述べた。
「対EU輸出入額は昨年末に発生したブレグジット前の駆け込み需要で上昇し、その反動で今月は大きく減少したと考えられます」
ONSも「多くの企業が昨年末に商品をまとめて発送した影響が出た」と指摘している。また、イギリスとEU間の貿易はコロナ変異種の影響で一時的に中断され、回復後も国境を通過するドライバーは商品のチェックだけでなくPCR検査を義務付けられ、輸送に大きな遅れが生じた。
しかし、OMSはEUーUK通称協定発効時の混乱は落ち着きつつあると指摘した。報告によると、2月以降の貿易水準は回復傾向にあるという。OMSは1月の対EU貿易を「不安定」と表現し、ゴールドマンサックスは「騒々しい」と呼んだ。
英国商工会議所(BCC)の経済学部長、スレン・ティル氏は、「現場の企業は困難に直面しており、イギリスとEUの貿易フローの混乱も続いています。対EU貿易は2021年第1四半期の経済成長の足かせになる可能性が高いと言えるでしょう」と指摘した。
政府のアレグラ・ストラットン報道官は1月の大幅な落ち込みについて、次のように述べた。
「昨年末の備蓄の放出、コロナの封鎖、新しい貿易関係の適応に苦労する企業など、様々な要因が組み合わさった結果、対EU貿易は大きな影響を受けました」
「ただし、データはブレクジット後のEUとイギリスの全体的な貿易関係を反映しておらず、運送業者と貿易業者の努力のおかげで、双方の全体的な取引量は2月初旬から通常のレベルに戻っています」