◎約2,900万人が生活するテキサス州では広範囲にわたる停電が発生した。電力の当局者は、暖房需要の急増と各地の設備に凍結などによる被害が出た結果、大停電につながったと陳謝した。
報道によると、アメリカ南部を襲った大寒波により、これまで少なくとも21人が死亡し、数百万人が電力を失ったという。
約2,900万人が生活するテキサス州では広範囲にわたる停電が発生した。電力の当局者は、暖房需要の急増と各地の設備に凍結などによる被害が出た結果、大停電につながったと陳謝した。
南部の市民は大雪と低温に慣れておらず、対応に苦慮している。米国立気象局(NWS)によると、冬の嵐は週末まで続く可能性が高いという。
この嵐による死亡事故はテキサス州、ケンタッキー州、ノースカロライナ州、ミズーリ州などで確認されている。
NWSは、1億5,000万人以上が大雪注意警報下に置かれ、国土の73%以上が雪に覆われたと述べた。
冬の嵐はメキシコの北部と中央部に達し、テキサス州周辺のガスパイプラインが凍結した影響で発電所が停止し、数百万世帯がブラックアウトに直面した。
あるツイッターユーザーは、「私は南部テキサス州ヒューストンで凍結しています。電力も熱も水もありません。私には幼い4人の子供がいます。今、何が起きているのですか?」と投稿した。
別のツイッターユーザーは、友人と寒さをしのぐために「暖炉で家具を燃やした」と書いた。
テキサス州の気温は過去30年の最低記録を更新した。いくつかの地域では2月14日にマイナス18℃を記録(例年は0~5℃)し、市民は雪かきに悪戦苦闘したという。ジョー・バイデン大統領は同州の非常事態宣言要請を承認した。
当局によると、テキサス州でブラックアウトに直面した市民は約400万人、ダラスの世帯の約4分の1が停電したままだという。(2月17日時点)
広範な停電は一部の役人と住民の怒りを引き起こしている。同州のグレッグ・アボット州知事は記者団に、「これほどの大停電は到底容認できない」と述べた。
アボット州知事は州の電力の大部分を担当するテキサス電気信頼性議会(エルコット)の調査を求めている。
アボット州知事はABCニュースの取材に対し、「議会を速やかに改革し、指導者は責任を取って辞任するべきだ」と語った。
グレッグ・アボット州知事:
「市民は電気信頼性議会が信頼できないことを知った。彼らは停電に至った経緯、原因、問題点を示さなければならない。市民は電気を失い、ワクチン保管施設にも大きな影響が出ている」
エルコットは16日のツイートで、「復旧に向け、作業を進めている」と述べた。
専門家によると、南部の住宅は寒さを考慮した設計になっていないという。結果、暖房が停止したことで、室温は一気に低下した。ある市民は毛布で水道管を保護しようとしたが、凍結による破裂を防ぐことはできなかったという。
別の専門家は、「南部の市民の大半はこのレベルの寒さを経験したことがなく、蛇口をほんの少し緩めて水を流すことで凍結を防止できることも知らない。当局は寒さ対策のありとあらゆる情報をSNSなどで発信するべきだ」と述べた。
ヒューストンとハリス郡の当局者は、(ガスもしくは暖炉を使える世帯は)湯を沸かし寒さをしのいでほしいと呼び掛けている。
ABCニュースによると、少なくとも22の州が天候不良の影響でコロナワクチンの接種を延期または中止したという。
連邦緊急事態管理庁(FEMA)は声明で、テキサス州だけで少なくとも30のワクチンサイトが閉鎖したと述べた。
ホワイトハウスによると、バイデン大統領は同州のアボット州知事やルイジアナ州の知事などと電話で話し、状況の報告を受けたという。
バイデン大統領は、「州知事の要請に対応する準備はできている。連邦政府は新たな連邦緊急支援を提供し、市民を保護する」と述べた。
A much different, darker looking Houston tonight. pic.twitter.com/bC3J4UF0bM
— Mycah Hatfield (@MycahABC13) February 17, 2021