◎当局者は、テキサス州ヒューストンなどでブラックアウトが発生し、約400万人が影響を受けたと述べた。
◎メキシコの国営電力会社、連邦電力委員会によると、北部地域の顧客約500万人に電力を供給できなくなったという。電力当局者は声明で、「テキサス州の寒波で周辺のガスパイプラインが凍結し、発電所にガスを供給できなくなった」と述べた。
2021年2月15日 AP通信/テキサス州ヒューストン

報道によると、南部テキサス州を襲った歴史的な寒波の影響で大停電が発生したという。

当局者は、大都市ヒューストンなどでブラックアウトが発生し、約400万人が影響を受けたと述べた。

また、警察によると、ヒューストン地域の道路沿いで男性2名の死亡を確認したという。死因は調査中、当局者は凍死した可能性が高いと述べた。

テキサスの大寒波はメキシコでも大混乱を引き起こしている。

メキシコの国営電力会社、連邦電力委員会によると、北部地域の顧客約500万人に電力を供給できなくなったという。

電力当局者は声明で、「テキサス州の寒波で周辺のガスパイプラインが凍結し、発電所にガスを供給できなくなった」と述べた。

電力当局者(声明):
「いくつかの民間発電所も14日深夜頃に停止し始めた。北部の発電所が停止した結果、広範な大停電につながった」

メキシコ北部地域では、使用電力の80%を民間企業が供給している。

メキシコ政府はテキサス州の安価なシェールガスを購入し、発電所に供給している。なお、メキシコ国内ではシェールガスを生み出す水圧破砕は許可されていない。

※水圧破砕:地下の岩体に超高圧の水を注入して亀裂を生じさせる手法、 高温岩体地熱発電、シェールガス・タイトオイルの採取に用いられる。

2021年2月15日 AP通信/テキサス州ヒューストン

連邦電力委員会は声明で、気温が急降下した影響で、アメリカの電力需要が急上昇し、ガスの価格が高騰したと述べた。報告によると、ガソリンの価格は100万BTUあたり約3ドルから600ドルにまで上昇したという。

連邦電力委員会は、15日の正午の時点で影響を受けた顧客の約65%の停電を解消したと述べた。

燃料購入担当のレイエス・エルナンデス氏は記者団に対し、「水力発電所と石炭火力発電所の発電量を増やし、同時にタンカーから供給できるガスの量も増やすことで不足分を補っている」と述べた。

レイエス・エルナンデス氏:
「アメリカの電力需要は、わずか4日間で20%強増加しました。気温の低下は暖房の使用を促しました。一方、天然ガスは低温の影響で凍結し、致命的な供給不足を引き起こしました」

「低温は再生可能エネルギーにも影響を与えました。担当者は風力発電のブレードが凍っていたと言いました...」

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は自家発電を減らすプロジェクトを推進しており、今回の大停電で厳しい非難に直面している。

先月、連邦電力委員会は昨年12月28日に発生した大停電で虚偽の報告をしたことを認めた。メキシコ全土の約4分の1に影響を与えたブラックアウト(停電時間:約2時間)は、送電線の真下で発生したブラシ火災が原因だった。

2021年2月15日 AP通信/テキサス州ヒューストン

テキサス州ヒューストンのある避難所では500人以上が身を寄せ合っていたが、自家発電設備も機能しなくなったため、施設を閉鎖せざるを得なかったという。

テキサス州最大の食料品店チェーンHEBは声明で、雪の処理に慣れておらず、除雪する装備もほとんど揃っていないため、天候が落ち着くまで閉店すると発表した。

大寒波はコロナワクチンの展開にも大きな影響を与えている。

ヒューストンの保健当局は、今週展開する予定だったコロナワクチン約40万回分の配達を少なくとも2月17日まで延期すると発表した。なお、天候が早めに回復すれば、その時点で配達を再開するという。

一方、ヒューストンのライス大学は、学校内で保管しているワクチンが無駄になる可能性があるため、2月15日に突然ワクチンの提供を開始すると発表し、市民を困惑させた。

ライス大学のスポークスマン、ダグ・ミラー氏は、「停電でワクチン保管用施設が停止した。私たちは貴重なワクチンを速やかに処理しなければならないだろう」と語った。

Heavy snow blankets parts of Texas following winter storm

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