◎バイデン大統領は質問に対する回答の多くで、「目標を達成するためには資金を確保する必要がある」と強調した。
2月16日、就任後初の公開イベントに出演したジョー・バイデン大統領は、就任から100日までの間に大多数の学校を再開させるという大統領選挙期間中の約束を果たすと述べた。
ウィスコンシン州ミルウォーキーのCNNタウンホールに登場したバイデン大統領は、学校の再開に関する明確なメッセージを市民に伝えた。学校の再開に向けた取り組みは全米各地で進められており、オンライン授業を従来のカリキュラムの一部に追加する予定の地域も出ている。
バイデン大統領はCNNのアンカーに、「私は(8年生までの)学校の大多数を開校すると約束しました。学校は教育に欠かせないものであり、授業の中止は子供やその家族に大きな影響を与えます。再開に向けた取り組みを加速させなければいけません」と述べた。
バイデン大統領はアンカーに、「幼稚園から中学2年生までの対面学習が本来の週5日に戻る時期はいつ頃か?」と尋ねられr、「(就任から)100日の終わりまでにはその目標に近づくだろう」と述べた。また、全学年の速やかな授業再開を目指していたが、高校生は他の学年より感染のリスクが高いため、再開には時間がかかるだろうと示唆した。
一方、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は今月初めの定例会見の中で、「以前、私はバイデン大統領が対面学習の頻度を週1日に減らして学校を再開するという趣旨の発言をしたが、間違いだった」と謝罪している。
ホワイトハウスは中小企業の支援や政府の予防接種計画などを示し、コロナウイルスに関する様々な問題の解決を目指している。
バイデン大統領は7月末までに6億回分のコロナワクチンが利用可能になり、すべてのアメリカ人にワクチンを提供できるだろうと述べた。
しかし、バイデン大統領は質問に対する回答の多くで、「目標を達成するためには資金を確保する必要がある」と強調した。バイデン大統領はこの日、約1.9兆ドル(200兆円)のコロナ救済法案の必要性を市民に繰り返し訴えた。
公開イベントはテレビとYouTubeで全世界に発信されている。バイデン大統領は議会の共和党員に、「法案を速やかに承認しなければ、それを必要としている市民を敵に回す」と圧力をかけた。
またバイデン大統領は、トランプ前大統領と弾劾裁判に関するアンカーの質問を拒否し、「彼について話すのはうんざりだ」と語気を強め、拍手喝采を浴びた。
ジョー・バイデン大統領:
「この4年間、ニュースになるのはトランプの話題ばかりでした。メディアは市民に寄り添った報道をするべきです」
バイデン大統領はブラック・ライヴズ・マターから全国に広がった警察改革について、「警察を改革する方法のひとつは資金の提供であり、一部の進歩主義者が主張する予算カットには反対します」と提案した。また、警察改革に向けた取り組みを進める法案の可決についても楽観的な姿勢を示した。
今週末に提出される予定の移民改革法案については、文書化されていない移民に市民権を与えるという政権公約を果たすうえで必要不可欠な法案と断言したが、移民に関する全ての問題をひとつの法案で網羅するのではなく、分割して提出することも必要に応じて受け入れると述べた。
バイデン大統領は、1.9兆ドルの救済法案は大多数の国民の支持を得ており、一部のアナリストも「経済を後押しするための支出であり、支持できる」と言っていると強調した。
ジョー・バイデン大統領:
「今は助けを求めている人々に救済を与える時間です。中小企業を助けるために、資金を提供する時間です。躊躇すれば彼らは倒れ、政府はより大きなリスクを背負うことになるでしょう」
下院民主党は来週、「アメリカンレスキュープラン」を議会に提出する予定である。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの累計感染者数は2,780万人、累計死亡者は48.8万人、コロナワクチンの接種総数は5,500万回を超えた。新規陽性者数は減少傾向にあるが、専門家は変異種の影響で事態が急変する可能性もあり得ると指摘している。
<人口あたりワクチン接種率:2月16日時点>
1位 イスラエル 78.09%
2位 UAE 52.56%
3位 イギリス 23.75%
4位 アメリカ 16.68%
5位 バーレーン 14.87%
アメリカンレスキュープラン
・アメリカンレスキュープラン:約1.9兆ドル(200兆円)
2021年????、下院通過↓
2021年????、上院通過
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2021年????、バイデン大統領署名
・COVID-19経済救済法:9,000億ドル
2020年12月20日、上下両院の指導者が合意に達する
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2020年12月21日、下院通過
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2020年12月21日、上院通過
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2020年12月27日、トランプ大統領署名
・コロナ援助、救済、および経済安全保障法(CARES法):2.2兆ドル(230兆円)
2019年7月下院通過
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2020年3月25日上院通過
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2020年3月27日下院、上院の修正に同意
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2020年3月27日トランプ大統領署名
予算の内訳(抜粋)
<市民への直接支給>
予算4,650億ドル:年収75,000ドル未満の個人1人に1,400ドル。
<失業保険手当>
算3,500億ドル:1人毎週300ドルから400ドルに増額する。期間は9月まで。
<コロナワクチン・検査・追跡>
予算1,600億ドル:地域予防接種センター開設に200億ドル、学校のコロナ検査体制整備に500億ドルなどを提供。
<食糧支援>
予算未定:フードバンクへの給付を15%増額し、期限を9月まで延長。
<中小企業支援>
予算500億ドル:既存の中小企業向け支援「ペイチェック保護プログラム(PPP)」とは別の新しい中小企業を対象とした女性プログラムを提供。また、州、地方、部族、非営利団体向けの資金調達プログラムに350億ドルを投資。
<学校再開>
予算1,700億ドル:学生の学問的、社会的、感情的、精神的健康のニーズを満たすために1,300億ドル投資。コミュニティカレッジを含む公立大学、公立および私立の歴史的黒人大学と少数派奉仕機関に350億ドルを寄付。教育プログラム支援予算として州知事に50億ドルを提供。
<育児>
予算数百億ドル:チャイルドケアプロバイダーを支援するために、250億ドルの緊急基金を創設。既存のチャイルドケアおよび開発ブロック助成プログラムに150億ドルを投資。
<メンタルヘルスサービス>
予算数十億ドル:薬物乱用・精神保健サービス局と保健資源・サービス局に40億ドルを投資。
<立ち退きモラトリアム>
パンデミックの期間中に失業した低中所得世帯向けの賃借支援に250億ドル。賃借人の光熱費サポートに50億ドル。立ち退きモラトリアムを9月30日まで延長。
<州ヘの支援>
州政府、地方政府、および準州政府の支援に3,500億ドル。
<税額控除の一時的な増加>
児童税額控除の引き上げに1,200億ドル。(6歳未満:年間3,600ドル、6歳~17歳:年間3,000ドル)
<健康保険料補助金>
失業などで健康保険を失った人の保険料を助成したい。オバマケアの保険料補助金の増額。
<緊急有給休暇>
有給の病気および家族休暇手当の復活。病気、検疫、学校の閉鎖で子供の世話をしている人に14週間の有給休暇を保証する。
<最低賃金引き上げ>
1時間あたり15ドルに引き上げ。共和党は猛反発している。