◎バサンチャー島への移住作業は昨年12月に始まり、移住を終えた市民は7,000人を超えた。
バングラデシュ政府はロヒンギャ難民のために開発した新しい居住区への移住作業を進めている。海軍当局者は声明で、「開発したバサンチャー島には4番目の難民グループが入ります」と述べた。
AP通信によると、バサンチャー島行きのフェリー乗り場に集まったロヒンギャ難民約2,000人は、皆大きな荷物を抱えていたという。
バサンチャー島の居住区の収容能力は約10万人。隣国ミャンマーから逃れたロヒンギャの人々、約100万人(推定)の10分の1がそこで生活する予定である。
バサンチャー島への移住作業は昨年12月に始まり、移住を終えた市民は7,000人を超えたという。
政府は島への移住は難民にとって良いものであり、より良い生活環境を提供できると述べている。しかし、一部の人権団体は難民の意思が反映されていないと政府の対応を非難している。
ある難民男性は現地メディアの取材に対し、「ミャンマーに戻りたいと思っていますが、軍は私たちを受け入れないでしょう」と語った。
ロヒンギャの人々は生まれ故郷のミャンマーで厳しい弾圧を受け、バングラデシュに避難した。コックスバザール地区の難民キャンプの生活環境は極めて悪く、子供たちは毎日お腹を空かせている。
バングラデシュ政府はロヒンギャ難民の受け入れを拒まず世界から賞賛されたが、人口約1億6千万人の開発途上国はその対応に苦慮し、世界に助けを求めている。
政府は声明で、「難民の意思(帰還)を尊重できるかどうかはミャンマー軍次第であり、世界は軍にロヒンギャの安全を保証するよう圧力をかけ続けなければならない」と述べた。
しかし、ミャンマー軍は2月1日のクーデターで民主主義を破壊し、好き勝手に法を改正し、裁判所の許可なしで市民を逮捕、投獄、拷問できるようにした。バングラデシュで生活する難民は、ミャンマーに戻ることをさらに恐れるようになったという。
政府はバサンチャー島の開発に1億1,200万ドル(120億円)以上の予算を投じ、堤防、集合住宅、病院、モスクなどを建設した。堤防は大雨による洪水対策と伝えられている。
バサンチャー島への移住計画は2015年に発表されたが、国際援助機関は大雨や嵐で数千人の命を危険にさらす可能性があると指摘し、移転に反対してきた。
ある海軍当局者は現地メディアの取材に対し、「居住区の生活環境は難民キャンプとは比べ物にならないほど良い」と述べたうえで、「世界は難民を支援しなければならない。政府の力(予算)は限られている」と訴えた。
バサンチャー島