◎米ボーイング社の2020年第4四半期の経常損失は約84億ドル(8,700億円)、通年の損失は約119億ドル(1.2兆円)だった。
◎最も大きな赤字を計上した機種は、開発を進めている777X(約6,800億円)だった。
ロイター通信/ボーイング737Max

報告によると、米ボーイング社の2020年第4四半期の経常損失は約84億ドル(8,700億円)、通年の損失は約119億ドル(1.2兆円)だったという。

ボーイング社も他の航空各社と同じく、コロナウイルスによる需要の減少に苦しめられた。

過去2年間の同社のトラブルのほとんどは、致命的な墜落事故を2度起こした737Maxに関連するものだった。

しかし、1月27日に報告された第4四半期の結果の中で最も大きな赤字を計上した機種は、開発を進めている777Xだった。

777Xの関連損失は約65億ドル(6,800億円)だった。

ボーイング社のデイブ・キャルフーンCEOはアナリストとの電話の中で、「2020年は他に類を見ない年だった」と語った。

デイブ・キャルフーンCEO:
「航空業界、ビジネス、そしてコミュニティは前例のない課題に直面しており、私たちはまだその真っ只中にいる。今後6〜9か月は非常に困難な状況が続くだろう」

第4四半期の報告を受け、同社の株価は3%下落した。

ちょうど3年前、ボーイング社の経常利益は100億ドルを突破した。しかし、2019年は737Maxの影響で赤字、2020年は大赤字に転落した。

アナリストは同社の2021年の業績は回復すると予想している。ただし、その予想は、パンデミックによる旅行制限に大きく依存しており、緩和が遅れるほど回復は難しくなる

ボーイングジェット機の注文は過去2年間で大きく減少した。

ボーイング社は2020年第4四半期に59機の民間航空機を納入した。一方、ライバルのエアバス社は225機だった。

同社は昨年末、生産の流れを理由に次世代の長距離機、787ドリームライナーの出荷を停止した。なお、出荷の再開時期は明らかにされていない。

報告によると、開発中の777Xの初納入は当初の発表より3年遅れの2023年後半になる予定だという。

短距離および中距離のフライトで使用されてきた737Maxは20カ月の全世界飛行禁止を経て、2020年11月に飛行を許可された。アメリカン航空を含む5つの航空会社が737Maxの運用を再開し、12月以来2,700便以上を運航している。

ヨーロッパの規制当局は、1月27日に737Maxの飛行を許可した。しかし、最大の市場である中国はまだ飛行を認めていない。

737Max墜落事故~飛行禁止命令解除までの経緯

・2018年10月29日、ライアン・エア610便墜落。死者189人(乗客181人、乗組員8人全員)

・2019年3月10日、エチオピア航空302便墜落。死者157人(乗客149人、乗組員8人全員)

・2019年3月11日、連邦航空局(FAA)、737Maxの飛行禁止命令を発効。対象エリアは全世界。

・2020年11月18日、FAA、737Maxの飛行禁止命令を解除

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