◎イングランドのロックダウン(完全封鎖)期間は少なくとも2月中旬まで。
◎英国商工会議所のアダム・マーシャル事務局長「政府は影響を受ける企業への追加支援を発表しなかった。彼らは困惑し、失望するだろう」
イングランドのロックダウン(完全封鎖、期間:2月中旬まで)
・不要不急の外出禁止。
・一部の例外を除き、学校および大学はオンライン授業に移行。
・保育園は継続。
・必須小売店(食料品店、薬局など)以外はすべて閉鎖。
・屋内外スポーツ施設は全て閉鎖。
・屋外の公園や運動場は営業可能。
・飲食店はデリバリーのみ許可される。ただし、アルコールの販売は禁止。
・アマチュアスポーツの活動は禁止。
・プレミアリーグなどのプロスポーツは継続。
・共同の宗教施設(礼拝所など)は営業可能。
・結婚式などのイベントは原則禁止。
・他の世帯の住民に会う場合、できるだけ早く、少なくとも5日間、不要な社会的接触を停止する。
・子供もガイダンスに従うこと。
・別居中の親とその子供の接触は免除される。
・違反者には200ポンド(28,000円)~最大6,400ポンド(900,000万円)の罰金が科される。
スコットランドのロックダウン(完全封鎖、期間:1月末まで)
・不要不急の外出禁止。
・保育園、学校、大学は全てオンライン授業に移行。
・屋外での集団スポーツはプロアマ問わず全て禁止。
・検疫中の人はいかなる理由があろうと外出禁止。
・屋外で接触できる世帯数は1日1世帯の1人まで。
・共同の宗教施設(礼拝所など)は閉鎖。
・必須小売店(食料品店、薬局など)以外はすべて閉鎖。
・スキー場、大型ショッピングセンター、社会的距離を確保できないサービス事業はすべて閉鎖。
・違反者には罰金が科される。(イングランドと同じ)
1月4日、イギリスのボリス・ジョンソン首相はイングランド全土を完全封鎖すると発表した。
イングランドのロックダウンは少なくとも2月中旬まで続く予定。同じく完全封鎖に移行したスコットランドは1月末に感染状況を精査したうえで制限の見直しを行う。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、イギリスのコロナウイルス累計感染者数は1月4日時点で271万件、累計死亡者は75,431人。4日の新規陽性者数は過去最高を更新する58,784件、死亡者は407人だった。
ジョンソン首相は声明の中で、「まもなく私たちはこれまでで最も困難な状況に直面するだろう」と警告した。
ボリス・ジョンソン首相:
「厳しい制限で病院にかかる負担を軽減させる。最前線で戦う医療従事者たちは疲れ果てている」
「必要不可欠な用事(医療機関の受診、食料品の購入、仕事など)以外の理由で外出してはいけない。学校や大学も封鎖し、オンライン授業に移行する」
ジョンソン首相は介護施設の居住者およびスタッフ、70歳以上の全市民、最前線の医療関係者などへの1回目のワクチン接種を加速させると述べた。
同日、スコットランドのニコラ・スタージョン首相も新たな制限を発出した。
同国の制限はイングランドより厳しく、すべての学校と霊拝所は閉鎖され、屋外での集団スポーツはプロアマ問わず禁止になった。
スタージョン首相は、「私たちは昨年3月を上回る厳しい感染状況に直面している。制限を強化しコロナウイルスを抑え込まなければならない」と述べた。
12月20日から完全封鎖に移行したウェールズは、1月18日まで学校の閉鎖期間を延長すると発表した。
同じくクリスマス前に6週間の封鎖に入った北アイルランドは、オンライン授業の期間を延長する予定と伝えられている。
労働党党首のキール・スターマー卿は「完全封鎖を支持する」と表明し、「コロナウイルスに打ち勝つために、私たちは力を合わせなければならない」と述べた。
一方、英国商工会議所のアダム・マーシャル事務局長は声明で次のように述べた。
アダム・マーシャル事務局長:
「企業は完全封鎖が必要な理由を理解している。しかし、政府は影響を受ける企業への追加支援を発表しなかった。彼らは困惑し、失望するだろう」
ジョンソン首相の記者会見に同席した国民保健サービス(NHS)のクリス・ホプソン博士は、「感染状況次第では、警戒レベルを5に引き上げることもあり得る」と述べた。
レベル5(ティア5)はNHSが感染の増加に対応できなくなったことを意味する。
ホプソン博士は、「入院患者数は警戒レベルに到達している。今すぐ断固たる行動を取らなければならない」と警告した。