◎死亡したのはRV車の所有者、アンソニー・クイン・ワーナー氏。(DNA鑑定で判明)
◎ワーナー氏は5Gテクノロジーをめぐる妄想に憑りつかれ、AT&T(電話会社)のビルを狙ったと噂されている。
12月25日 AP通信/アメリカ、テネシー州ナッシュビル、爆発現場

12月27日、連邦捜査局(FBI)は、テネシー州ナッシュビルのRV車爆発事件で死亡した人物を特定したと述べた。

当局者によると、現場で発見された組織のDNAを鑑定した結果、死亡したのはRV車の所有者、アンソニー・クイン・ワーナー氏だったという。

メトロポリタンナッシュビル警察のジョン・ドレイク署長は27日の記者会見で、「アンソニー・ワーナー氏は、爆発事件に関与した可能性がある」と述べた。

ABCニュースによると、捜査員は爆発したRV車の所有者であるワーナー氏に狙いを絞り、12月26日に家宅捜索を行ったという。

FBIのダグラス・コルネスキ特別捜査官は記者団に対し、「ワーナー氏の自宅からDNA鑑定用の証拠を入手した」と語った。

RV車は12月25日の午前1時22分にAT&T(電話会社)ビル前に駐車されたと伝えられている。ただし、ビルが標的にされたかどうかは分かっていない。

ABCニュースによると、FBIの情報筋はワーナー氏が「5Gテクノロジーをめぐる妄想の影響でAT&Tを狙った可能性もある」と述べたという。

コルネスキ特別捜査官は、「SNSに投稿された情報や噂は認識している。私たちはウェブサイトに寄せられた情報などから、ありとあらゆる可能性を考慮し、容疑者を特定する」と述べた。

現在、少なくとも250人以上のFBI職員が爆発事件の調査にあたっており、特別捜査官、アナリスト、専門スタッフが聞き込みや証拠の収集を行い、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(BATF)などの関係機関と連携し調査を進めている。

事件当日、現場で対応にあたったナッシュビルの警察官たちは、民間人をRV車から離れた場所に誘導し命を救った。

ドレイク署長は対応にあたった警察官6人を紹介し、「彼らが判断を誤っていれば、私は悲劇と失われた命について会見しなければならなかった」と述べた。

ナッシュビルのジョン・クーパー市長は、ジェームズ・ルエレン氏、ブレンナ・ホージー氏、マイケル・シポス氏、アマンダ・トッピング氏、ジェームズ・ウェルズ氏、ティモシー・ミラー氏を英雄と呼び、活躍を称えた。

2020年12月27日 AP通信/テネシー州ナッシュビル、ジョン・ドレイク署長(左)と署員
2020年12月27日 AP通信/テネシー州ナッシュビル、ブレンナ・ホージー氏

ブレンナ・ホージー氏はRV車から不気味なカウントダウンが流れ始めた時の状況について、「爆発まで14分と聞いた時は目の前が真っ白になった」と述べた。

ブレンナ・ホージー氏:
「RV車の近くにベビーカーを押す女性と子供が4人いた。私は彼女に警告し、離れた場所に誘導した。犠牲者が出なかったことに心から感謝する

ホージー氏は爆発の衝撃で倒れたが、幸い大きなケガはなかった。

AT&Tは、爆発で損傷を受けた施設の復旧を進めており、ナッシュビル周辺のワイヤレスサービスの大半は回復したと述べた。

ワーナー氏が5Gテクノロジーをめぐる妄想に憑りつかれテロを起こしたと噂されている件について、AT&Tの広報担当はコメントを拒否した。

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