中国政府は、香港の民主化を訴える議員の辞職を「茶番劇」と呼び、共産党に対する宣戦布告だと非難した。
11日、野党議員15人は、国家安全保障上の脅威と見なされ不当に解雇された4人の議員と連帯して辞任した。
中国の香港マカオ事務局は12日の記者会見で一斉辞任について、「中国政府の権威と香港国家安全維持法に対する挑戦」と述べた。
香港マカオ事務局の報道官:
「議員たちは中国政府に抵抗の意思を示している」
「辞任を利用して過激な行動を引き起こし、外国の干渉を期待しているのであれば、大きな間違いだ」
11日に北京で可決された決議を受け、香港は市の立法評議会で活動する野党議員4人を解任すると発表した。
立法評議会の議席は70。野党の議席は21だった。
市当局は解任された4人について、来年に延期された議会選挙に出馬する資格を既に失っていたと述べた。
キャリー・ラム行政長官は、「立法評議会で奉仕するための要件と前提条件を満たしていない者は、議会に留まることを許されない」と説明した。
北京と香港は4人の規則違反内容を明かしていない。
解任されたデニス・クォック氏とアルビン・ヨング氏は、香港への制裁を求める米上院議員充ての共同書簡に署名している。
同じく解任されたケネス・レオン氏は、アメリカで記者会見を行った際、間接的に制裁を支持したと非難されている。
また、地元メディアによると、解任されたクオック・カキ氏は、外国の勢力に香港への制裁を求める「意図」を持っていたという。
解任された4人
アルビン・ヨング氏:
民主化を支持する公民党の党首。弁護士。カナダ市民権を放棄し、香港市議会に立候補したと伝えられている。2016年初当選。
デニス・クォック氏:
弁護士。公民党の創設メンバーのひとり。
ケネス・レオン氏:
税理士。民主化を支持する議会グループ、Professionals Guild(2016年創設)の一員。2012年初当選。
クオック・カキ氏:
泌尿器科医。2004年から医療職能団体を代表する立法評議員を務めている。
アメリカは議員の不当な解任を受け、「中国にさらなる制裁を科す」と警告した。
米国家安全保障問題担当補佐官のロバート・オブライエン氏は、「一国二制度を拒否する中国共産党の独裁政権に抗議する」と語った。
欧州の高官も非難声明を発表、「香港の自由を侵してはならない」などと述べた。
これに対し中国外務省の報道官、ワン・ウェンビン氏は11日の記者会見で次のように述べている。
ワン・ウェンビン氏:
「4人の解任は憲法と法律に基づくもの。一国二制度を遵守、改善し、香港の基本法と国家安全保障を保護するために必要だった」