▽CDCによると、感染者の96%がワクチン未接種者または接種状況不明者である。
ワクチン(Getty-Images).jpg)
米疾病対策センター(CDC)は9日、今年全国で確認された麻しん(はしか)感染者が1000人を超えたと明らかにした。
過去1週間の新規感染者は66人。その多くが南部テキサス州で確認されている。
全米で昨年確認された麻しん患者は285人。CDCはテキサス州の流行を「過去数十年で最悪」と説明している。テキサス州の累計感染者は709人となった。
麻しんは「麻しんウイルス」によって引き起こされる急性の全身感染症。ウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強い。
免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染すると一生免疫が持続すると言われている。
米国で麻しん感染者が1000人を超えたのは2019年以来5年ぶり。この年は1274人の感染が報告された。
CDCによると、感染者の96%がワクチン未接種者または接種状況不明者である。
感染内訳は5~17歳が最も多く、次いで4歳以下となっている。
麻しん、おたふくかぜ、風疹(MMR)ワクチンを2回接種した人の発症割合は2%、1回接種も2%となっている。
入院した患者の13%が19歳以下である。
テキサス州では今年、ワクチン未接種の子供2人が死亡している。2人に基礎疾患はなかった。
テキサス州に隣接するニューメキシコ州ではワクチン未接種の成人が死亡。保健当局によると、死亡後に検査した結果、陽性反応が出たという。
ニューメキシコ州の感染者は9日時点で71人となっている。
テキサス、ニューメキシコ、アラスカ、アーカンソー、カリフォルニア、コロラド、フロリダ、ジョージア、ハワイ、イリノイ、インディアナ、カンザス、ケンタッキー、ルイジアナ、メリーランド、ミシガン、ミネソタ、ミズーリ、モンタナ、ニュージャージー、ニューヨーク、ノースダコタ、オハイオ、オクラホマ、ペンシルバニア、ロードアイランド、テネシー、バーモント、バージニア、ワシントンの計30州で患者が確認されている。
世界保健機関(WHO)によると、南北アメリカ大陸で今年確認された麻しん感染者は昨年に比べて11倍も多くなっている。
米国、カナダ、メキシコ、アルゼンチン、ベリーズ、ブラジルの6カ国では5月2日時点で2318人が感染。昨年1~4月は205人であった。
米国は2000年にWHOの麻しん排除認定を受けたが、この状態が続けば認定取り消しになる可能性がある。