▽スーダン内戦は15日、3年目に突入した。
と即応支援部隊のダガロ司令官(Getty-Images)-1.jpg)
米国務省は15日、アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による難民キャンプへの攻撃を非難し、紛争当事者に責任を明確にするよう求めた。
同省のブルース(Tammy Bruce)報道官は記者会見で、「北ダルフール州エルファーシルの難民キャンプに対する攻撃は国際人道法違反であり、深く憂慮している」と語った。
またブルース氏はRSFと軍事政権に対し、「国際人道法を守り、民間人を殺害した者は責任を負わなければならない」と強調した。
スーダン内戦は15日、3年目に突入した。
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFはダルフールの大部分を掌握。エルファーシルで国軍とその同盟組織を包囲し、激戦を繰り広げている。
ブルース氏は双方に武器を置き、和平に向けた交渉を開始すべきと呼びかけた。
米国務省は今年初め、RSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官に制裁を科し、さらにその2週間後には軍政を率いるブルハン(Abdel-Fattah Burhan)将軍も制裁リストに追加した。
軍政とRSFの合同軍は2019年に独裁者オマル・バシル (Omar al-Bashir)を追放。バシルはアラブ系部族を武装化し、「ジャンジャウィード」と呼ばれる武装民兵をダルフール地方に送り込んだとして、国際刑事裁判所(ICC)から指名手配されている。
国連はバシルが主導したダルフール紛争の死者数を30万人と推定している。