▽チセケディ大統領は先週、この裁判で死刑判決を受けた3人の米国人に恩赦を与えていた。
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アフリカ中央部・コンゴ民主共和国のクーデター未遂事件で収監されていた3人の米国人が8日、米国側に引き渡された。
チセケディ(Felix Tshisekedi)大統領は先週、この裁判で死刑判決を受けた3人の米国人に恩赦を与えていた。
大統領府によると、3人は自国で服役することになったため、米当局に引き渡されたという。
首都キンシャサの軍事裁判所は24年9月、野党指導者らが同年5月に起こしたクーデター未遂裁判で、これに関与した米国人3人を含む37人に死刑を言い渡した。
有罪となったのはコンゴ、米国、イギリス、ベルギー、カナダ国籍の37人。国家反逆罪、テロリズム、暗殺未遂、武器・兵器の不法所持、テロ組織への資金提供などの罪に問われていた。
被告たちは24年5月19日、大統領府とチセケディ氏の側近の邸宅を襲撃、銃撃戦となった。
この銃撃戦により、野党指導者のマランガ(Christian Malanga)を含む8人が死亡。マランガは自身のSNSアカウントでクーデターの様子をライブ配信した直後に射殺された。
コンゴは昨年、2003年に導入した死刑禁止令を解除した。国家反逆罪で死刑が確定した場合、銃殺刑に処される可能性が高い。
トランプ米政権のアフリカ上級顧問であるブーロス(Massad Boulos)氏は8日、コンゴ・キンシャサでチセケディ氏と会談。3人の移送を発表した。
コンゴ政府は現在、東部紛争への対応に苦慮している。政府は希少な鉱物資源と引き換えに、米国に安全保障を提供するよう求めている。
米国務省は先月、コンゴとの鉱物資源取り引きに前向きであると表明した。
ブーロス氏は今回の訪問に先立ち、3人の死刑を回避するようチセケディ政権に求めていた。
コンゴ大統領府の報道官は8日の声明で、「この決定は両国の協力と協調がますます強くなっていることを示している」と述べた。
ホワイトハウスはコメントを出していない。国務省報道官はロイター通信の取材に対し、「米国人の帰還が最優先事項である」と述べたが、3人がどの刑務所に収監されるかは明らかにしなかった。
コンゴ最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に東部の最大都市である北キブ州ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
コンゴ政府は東部紛争における今年の死者数が7000人を超えたと報告している。