スポンサーリンク
▽国連によると、40万~50万人のハイチ人がドミニカに逃げ込み、避難生活を続けている。
2025年4月7日/ドミニカ共和国、首都サントドミンゴ、ハイチ移民の流入に抗議する集会(AP通信)

中米ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで7日、隣国ハイチからの移民流入に抗議する集会が行われ、数千人が政府に対応を求めた。

アビナデル(Luis Abinader)大統領は6日、ハイチ国境の警備を強化し、移民の流入を阻止すると表明していた。

アビナデル氏は記者会見で15項目の新たな対策を概説。「両国を隔てる国境の壁建設を加速させ、国境監視のために1500人の兵士を追加配備する」と明らかにした。

またアビナデル氏はハイチ暫定大統領評議会を非難。「ハイチ人の流入を放置している」と述べ、対策を正当化した。

対策には病院の利用料を請求することや、適切な書類を持たない移民に住まいを貸した個人・企業を罰することなどが含まれる。

アビナデル氏は「国民を守るために必要な措置を講じる」と強調。「混乱に乗じてドミニカに不法入国し、好き勝手している移民を一人残らず送還する」と約束した。

病院は4月21日から患者に身分証明書、労働許可証、居住証明書の提示を求めることになる。

アビナデル氏は「これらの書類のいずれかを提示できない患者は治療を受けた後、直ちに強制送還される」とし、国民に理解を求めた。

またアビナデル氏は「全国の病院に移民対策部門の担当者を常駐させる」とした。

さらに、「ハイチ国境の壁建設を急ぎ、1500人の兵士を追加配備し、総員を1万1000人に増やす」と述べた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

最新のギャング間抗争は先月初めに勃発。ヴィヴ・アンサムと対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。

ヴィヴ・アンサムは先月末、ドミニカ国境近くにある刑務所を制圧。この結果、500人以上の受刑者が脱獄した。

アビナデル政権は昨年10月、毎週1万人の不法移民を強制送還するという目標を立て、それ以来、18万人以上を送還してきた。その99.9%がハイチ人で、人権団体は警察が令状なしで家に押し入るなど、移民を虐待していると非難している。

国連によると、40万~50万人のハイチ人がドミニカに逃げ込み、避難生活を続けている。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク