▽欧州の首脳たちは全世界にライブ配信された米・ウクライナ首脳会談が紛糾したことを受け、ウクライナへの支持を次々に表明した。
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欧州の首脳たちは2月28日、米ホワイトハウスで繰り広げられた壮絶な口論に懸念を示し、ウクライナに寄り添うと誓った。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はこの日、ホワイトハウスでトランプ(Donald Trump)大統領と会談。記者団が見守る中、最初は穏やかにトランプ氏らの発言を見守っていたものの、しばらくすると激しい罵り合いになった。
両首脳はウクライナの鉱物資源の権益に関する合意文書に署名する予定であったが、会談でロシアへの対応などを巡り厳しい言葉の応酬が相次ぎ、ゼレンスキー氏は合意文書に署名せず、ホワイトハウスを後にした。
これにより、共同記者会見も中止になった。
トランプ氏はプーチン(Vladimir Putin)露大統領が取引を望んでいると強調。ゼレンスキー氏に対し「第三次世界大戦に賭けているようなものだ」と述べ、米国に謝意を示すよう求めた。
欧州の首脳たちは全世界にライブ配信された会談が紛糾したことを受け、ウクライナへの支持を次々に表明した。
欧州は2週間前のミュンヘン安全保障会議で民主主義のあり方について説教を垂れたバンス(JD Vance)副大統領にウンザリするも、米国との関係改善に向けた協議を進めている。
この説教後、安全保障について話し合う緊急首脳会議が相次いで開催された。
3月2日にはロンドンでスターマー(Keir Starmer)首相主催のサミットが予定されている。ゼレンスキー氏を含む欧州とEUの首脳十数人が集まり、ウクライナと欧州の安全保障について議論する予定だ。
イギリス首相府は28日の声明で、スターマー氏はウクライナへの強い支持を維持していると述べた。「スターマー首相はウクライナへの揺るぎない支持を維持しており、ウクライナの主権と安全保障に基づく恒久的な和平への道筋を見出すために全力を尽くしている...」
28日に出された欧州首脳のコメントはトランプ氏やバンス氏についてはほとんど触れられておらず、ロシアとの戦争が4年目に突入する中、ウクライナへの支援を確約しようとするものだった。
ゼレンスキー氏はそのコメントをX(旧ツイッター)に再投稿し、それぞれに「支持に感謝する」と書いた。これはおそらくトランプ政権を揶揄したものだろう。
AP通信はウクライナ政府高官の話しとして、ゼレンスキー氏はホワイトハウスを離れた後、フランス大統領、NATO事務総長、EU議長と電話で話し、3首脳はいずれもゼレンスキー氏への支持を表明したと伝えている。
欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長はXへの投稿で、ウクライナと共に立つと述べ、ロシアを侵略者と非難した。
ドイツの次期首相候補であるメルツ(Friedrich Merz)党首もウクライナへの支持を再表明。欧州を団結させると約束した。しかし、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル(Alice Weidel)党首はXに「歴史的だ。トランプ&バンス」と投稿、米国の背後に回った。
ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相は大統領執務室でのトランプ氏の行動を称賛。「ゼレンスキーを自国の平和に反する活動を行っている」と非難した。
エストニア、スウェーデン、オーストリア、チェコ、デンマーク、フィンランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、スペインなどの首脳や外相らがウクライナへの支持を表明した。