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▽ウクライナと他の欧州諸国はトランプ氏がウクライナに不利な形でロシアと一方的に取引するのではないかと懸念している。
2025年2月24日/米ワシントンDCホワイトハウス、トランプ大統領(右)とマクロン仏大統領(ロイター通信)

EUの外相たちは24日、トランプ(Donald Trump)米大統領が数十年に渡る米国の外交政策を覆したことに深刻な懸念を示し、「欧州は新時代に入った」とする一方、米国との関係は維持することを望むと表明した。

EUのカラス(Kaja Kallas)外交安全保障上級代表はブリュッセルで開催された外相会合後、記者団に対し、「米国の発言が我々を不安にさせていることは明らかだ」と語った

またカラス氏は「欧州と米国は以前にも意見の相違を解決したことがあり、今回もそうなることを期待している」と強調した。

トランプ氏は先週、プーチン(Vladimir Putin)露大統領と電話会談を行い、ウクライナ戦争終結に向けた交渉を直ちに開始することで合意した。

これにより、ウクライナ問題でロシアを孤立させようとする欧米の3年間の努力は突然打ち切られた。

ウクライナと他の欧州諸国はトランプ氏がウクライナに不利な形でロシアと一方的に取引するのではないかと懸念している。

EUはトランプ氏が「米国はもはや欧州の安全保障を第一には考えていない」と示唆したことで足元をすくわれた。

カラス氏はNATOを念頭に置き、「大西洋の関係は変わっていく。しかし、これまでうまく機能してきたものを窓から投げ捨ててはならない」と述べた。

23日のドイツ総選挙を制した次期首相候補のメルツ(Friedrich Merz)党首は24日、6月までにNATOが現在の形で残るのかどうかを疑問視し、「欧州は独立した防衛力を早急に確立しなければならない」と指摘した。

またメルツ氏は「ベルリンの壁崩壊から始まった時代はもう終わった」と述べ、トランプ新時代に備える必要があると警告した。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は24日、首都キーウで西側同盟国の首脳と会談。各国の支援に謝意を表明し、今後も連携してロシアに対抗していくことを確認した。

トランプ氏は同日、ロシアによるウクライナ侵攻開始から3年となるのに合わせ開催されたG7オンライン会議で、「紛争終結を目指す考えで一致した」とSNSに投稿した。

トランプ氏はウクライナに対し、軍事援助の見返りに5000億ドル相当の鉱物資源を要求。ウクライナは「米の支援はその額に遠く及ばず、具体的な安全保障条項も含まれていない」と批判し、応じない姿勢を示している。

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