▽事件は中部アルティボニット県で先週発生。この地域でハイチ国家警察を支援していたケニア部隊がギャングの攻撃を受けた。
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中米ハイチの国連支援ミッションを率いるケニア国家警察の隊員1人がギャングとの戦闘で死亡した。ケニア当局が23日、明らかにした。
それによると、事件は中部アルティボニット県で先週発生。この地域でハイチ国家警察を支援していたケニア部隊がギャングの攻撃を受けた。
ケニア国家警察は声明で、「隊員は首都ポルトープランスに空輸され治療を受けていた」と述べた。
また同警察は治療に当たった病院スタッフと、銃撃現場で一緒に行動していたエルサルバドル軍に謝意を示した。
それ以上の詳細は明らかになっていないが、アルティボニット県はグラン・グリフという呼ばれるギャングの支配下に置かれている。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
この結果、100万人以上が住居を失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。
同ミッションには約800人のケニア国家警察を中心に、ジャマイカ、グアテマラ、エルサルバドルなどの兵士や警察官が参加している。
米国やその他の国々は昨年6月に始まった同ミッションの人員と資源が不足していると警告し、平和維持活動(PKO)への格上げを提案している。