▽コンゴ最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が主導する「コンゴ川同盟」は先月末にコンゴ東部・北キブ州の最大都市ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
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アフリカ中央部・ブルンジにコンゴ民主共和国東部の紛争地から逃がれた4万人以上の難民が流入し、人道状況が急速に悪化している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が21日、明らかにした。
それによると、この2週間で4万人以上がコンゴ東部からブルンジに逃げ込み、国境近くの難民キャンプなどに身を寄せているという。
UNHCRブルンジ事務所の代表はオンライン記者会見で、「わずか24時間で9000人以上が流入した日もあった」と語った。
コンゴ最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が主導する「コンゴ川同盟」は先月末にコンゴ東部・北キブ州の最大都市ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
M23は今月初めに一方的に停戦を宣言したが、ゴマ郊外ではそれ以降も激しい戦闘が続いているとみられる。
国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告している。実際の死傷者数はもっと多いという情報もある。
欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助停止を決めている。
ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中という情報もある。
ルワンダ大統領府は先月末、「コンゴとの全面戦争に応じる用意がある」と表明した。
国連によると、ブルンジ北西部のいくつかの地域にある難民キャンプはコンゴ難民で溢れかえり、衛生状況が劇的に悪化。その中には何度も避難を繰り返している人や、はしかなどの感染症を抱えている人もいるという。
UNHCRブルンジ事務所の代表は「2人の子供を抱えて国境を越えた母親が過労死した」と明らかにした。「彼女は2人の子供を救うために徒歩で国境を越え、数十キロ先の難民キャンプに到着した後、力尽きました...」
UNHCRによると、2月14日以降にブルンジに流入したコンゴ難民は確認できているだけで3万6000人に達したという。一部は間に合わせのボートで両国を隔てる川を渡り、徒歩で難民キャンプを目指している。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。
ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは少なくとも200万人がテント生活を送っている。
M23はブカブから30キロほど離れた地点にある空港も占拠した。
UNHCRは声明で、「コンゴの情勢悪化はブルンジにも大きな影響を与えている。この数週間、大量のコンゴ難民がブルンジに流入している」と述べ、国際社会に支援を呼びかけた。
UNHCRはブルンジ政府と協力し、難民を競技場や学校、教会に一時的に収容し、人道的ケアを提供できる土地に移動させる予定である。
UNHCRはブルンジ、タンザニア、ザンビアにコンゴ難民25万8000人が流入する可能性があるとして、国際社会に4000万ドル(約60億円)の緊急支援を要請した。
国連はこの紛争が1990年代から2000年代の第2次コンゴ戦争のような規模に発展することを恐れている。この戦争では500万~600万人が死亡したと推定されている。